ストレスを強く感じたとき、思い切り眠ってスッキリした経験はありませんか?

育児や家事、仕事、夫との関係、周りの人との関係など、ママの周りにはさまざまなストレスがあるでしょう。そんな中、睡眠はストレス解消の手助けとなるようなのです。

今回は、東京都千代田区のベスリクリニックで睡眠外来を担当する作業療法士の菅原洋平さんに、ストレスと睡眠との関係や、ストレス解消になる眠り方のコツをママ向けに伺いました。

特に睡眠が不安定になりがちな乳幼児ママは必見です!

睡眠とストレスの関係は?

そもそも、睡眠はストレスとどんな関係があるのでしょうか?

菅原洋平さん(以下、菅原)「睡眠が不足すると、脳内の扁桃体(扁桃体)という部分の活動が高まります。通常は、扁桃体が前頭葉から抑制されているのですが、睡眠不足になると、抑制が効かなくなるためです。

扁桃体は、害になる刺激を早く発見して『闘争か逃走か』という反応をすることで、体は高代謝状態になります。これが一般的に『ストレス』と呼ばれる状態です。睡眠の量と質が改善すると、前頭葉の抑制が効くため、無駄にストレス反応が起きなくなります」

睡眠不足の状態ではストレス反応が起きやすくなるというわけですね!

乳幼児ママが睡眠を改善するコツ

ストレスを感じにくくなるためには、睡眠の量と質を改善することがポイントであるようです。では、睡眠が不安定になりがちな乳幼児ママはどんなことに気をつければいいのでしょうか?

菅原さんは次のようにアドバイスをします。

1.自分の睡眠リズムを重視する

菅原「子どもの状態に合わせず、自分の睡眠リズムを重視することが大切です。

朝は窓から1m以内に入り、夕方には子どもと一緒に体を動かす、夜の暗さを意図的に作るという環境をつくっておけば、生活しているだけで睡眠のリズムはつくられやすいです。

乳幼児はお母さんのリズムに同調しやすいので、お母さん自身のリズムを作ろうと考えてみましょう」

2.朝は子どもの脳に光を届ける

菅原「夜泣きがひどくて明け方にようやく子どもが眠ったという場合、そのまま寝かせてあげようと思いますが、これで、子どものメラトニンリズムが大きく遅れてしまいます。メラトニンとは睡眠ホルモンとも呼ばれるもので、分泌されることで眠くなります。

メラトニンは、朝に光を浴びることでストップし、夜に分泌されるので、朝の起床時刻になったら、子どもが眠っていても抱っこして窓際に連れていき、脳に光を届けると、夜に眠りやすくなります」

3.夜は脳に光を届けない

菅原「メラトニンは夕方から夜にかけて分泌されますが、光を浴びると抑制されてしまいます。子どもは光感受性が高いため、入浴後はリビングの照明を暗くしてみましょう。

また入浴中に浴室の照明を消して、脱衣所の照明だけで入浴しても、メラトニンは増えます。

夜泣きでおむつ替えなどをするときも、部屋全体を明るくせず、デスクライトだけをつけて壁側に当てるなど、赤ちゃんの脳に光が届かないようにすると、再入眠しやすくなります」