冷凍した肉やシチューなどを解凍するのに時間がかかり、困った経験はありませんか?
食材を冷凍冷蔵庫から取り出してそのまま切って、すぐに調理にとりかかれたり、必要なときに必要な分だけ作り置きの料理を取り出せたりすればありがたいですよね。
先日、料理研究家・フードコーディネーターである河瀬璃菜さんが、ハイアールの冷凍冷蔵庫の5つの温度帯を選べる「セレクトゾーン」活用術を監修。調理シーンや活用ティップスが紹介されていました。
そこで今回は、河瀬さんによる、食材ごとに保存温度をうまく活用しながら、時短かつ楽に冷凍・冷蔵保存するテクニックをご紹介します。
食材別!冷凍・冷蔵保存テクニック
よく利用する食材別に、冷蔵・冷凍保存テクニックを見ていきましょう。
1.野菜や果物
普通の冷蔵 or -3℃付近の保存がおすすめ!
河瀬璃菜さん(以下、河瀬)「野菜や果物は、約2℃から5℃の冷蔵で3日間ほど保存可能です。もし3日を超えるようであれば、-3℃付近の冷凍室を利用すれば1週間くらいが保存の目安です。
食材が少し凍るだけ程度の温度で、パーシャル冷凍などと呼ばれています。熟れたアボカド、長芋、玉ねぎなどの保存におすすめです。
これらは切るときに、アボカドはつぶれにくく、長芋はすべりにくく、玉ねぎは涙目にならず切ることができるメリットがあります」
2.加工肉、練り物、発酵食品など
0度付近の保存がおすすめ!
河瀬「ベーコン、ウインナーなどの加工肉、ちくわ、はんぺん、かまぼこなどの練り物、チーズ、味噌、漬け物などの発酵食品、生うどん、生めんなど、賞味期限が短い冷蔵食材は、食材が凍る直前の温度0℃付近で保存するのがおすすめです。「チルド室」などと呼ばれており、保存目安期間は約4日間ほどです。食品の発酵を抑えながら保存をすることができます」
3.薄切肉、刺身、生魚、ハンバーグのたねなど
-8度付近の冷凍がおすすめ!長期保存なら-18℃付近の通常冷凍に
河瀬「薄切肉、刺身、生魚、ハンバーグのたね、餃子のたねなどの下ごしらえをした肉は、-3度付近のパーシャル冷凍がおすすめです。食材が少し凍る程度の温度で、約1週間保存可能です。パーシャル冷凍室は、鮮度を保ちたい食材保存に適しています。
一方で、ひき肉やかたまり肉、魚の切り身など、完全に凍らせず、鮮度を保ちながら保存したいものは、-8℃付近の冷凍がおすすめです。最近の冷凍冷蔵庫には、この温度帯の冷凍室が備わっていることがあります。約2、3週間が保存の目安です。
この冷凍室には、大きなかたまりの食材などが適しており、冷凍室から取り出してすぐに、解凍せずにサクッと切れます。解凍なしで使う分だけ使うことができるので、時短になります。また切るときに食材を傷ませることが少ないのも嬉しいところです。
もっと長期保存したい場合には、-18℃付近の一般的な冷凍室に保存します。約1ヶ月間保存できます。完全に冷凍されたお肉やお魚などを解凍する際には、0℃のチルド室に移すといいですよ」
4.シチュー、ソース、バターなど
-8℃付近の冷凍がおすすめ!
河瀬「余ったシチューやカレー、作りおきソース、バターなど、完全に凍らせず、鮮度を保ちながら保存したいものは、-8℃付近の冷凍がおすすめです。約2~3週間が保存の目安です。
シチューやソースは、冷凍室から取り出してすぐに、必要な分だけスプーンですくって調理することができるので、手間と時間短縮につながります」
河瀬さんは、食材の保存すべてに共通する注意点があるといいます。次の内容を必ず実施しましょう。
- 調理前はきちんと手洗いをする
- 調理器具、保存容器は清潔なものを使う
- おかずなどを冷凍する場合はしっかりと水分を飛ばす
- おかずなどを冷凍する場合は粗熱をとってから冷凍する
- 冷凍したおかずはしっかりと再加熱をする
河瀬「今回ご紹介した保存期間はあくまで目安です。昨今の状況もあるので、細菌を増やさないための細心の注意を払いながら、料理や食事を安全に楽しめるといいですね」