子どもは驚くほどに親のやることを見ているもの。子どもがよく言う言い回しが、よく考えてみると自分も日頃から言っていることだった…なんていうこともあるあるです。

そんなふうに、親が日常的に発している言葉に、子どもはとても影響を受けやすいもの。実は、ふだん何気なく使ってしまっている言葉の中に、思いがけず子どもに悪影響を及ぼすような言葉がいくつもあるそうです。

今回はそんな、子どもの前で気を付けたい言葉遣いを5つ、ご紹介します。

よく言っているけど実はNG!子どもに言わないよう心がけたい言葉遣い5つ

1:「〇〇しないで!」

自分で飲み物をコップに入れようとしてこぼしたり、走ってはいけないところで走り出したり…子どもは、親がやってほしくないことを進んでやる生き物。

子どもなりの考えがあってのことだったり、好奇心や有り余るパワーが発揮されてのことだったりもしますが、大人は大人の論理で怒ってしまいがちです。

そんなふうに、子どもの行動を止めようとして「〇〇しないで!」と叱る場面は多いですよね。ですが、否定形で叱ると、反発してくるのが子ども。また、やることなすこと否定されると、「どうせ自分のやることは認めてもらえない」と自己否定的な感情を持ってしまいます。

「走らないで」だったら「人にぶつかるといけないから、ゆっくり歩いて」と言い換えるなど、できるだけ肯定文で子どもに注意するようにすることを心がけてみましょう。

2:「〇〇しないと、〇〇してあげないよ」

「早くおうちに帰らないと、お菓子を買ってあげないよ」「お片付けしないと、遊びに行かないよ」など、交換条件を出すと子どもが思い通りに動いてくれることが多いため、ついつい言ってしまいがちな言い回し。

親にとっては「早くおうちに帰るべき理由」や「早く片付けを済ませてほしい理由」があるものの、子どもは目の前のことに夢中になってしまうとなかなかそれをやめられないので、こういった脅しのような交換条件を出してしまうんですね。

即効性がある言葉ではありますが、これを多用しているとご褒美のためにしか頑張れないようになってしまいます。

こういった言い回しもできるだけ肯定的な言い方に換えて、「早くおうちに帰れたら、おやつを食べようね」「早くお片付けできたら、大好きな公園に出かけられるよ」といった前向きな印象にしてあげれば、脅し文句にはなりません。

また、おもちゃやお菓子といった物欲を満たすことより、「お母さん・お父さんとふだんあまり行かない公園で遊ぶ」「クイズやなぞなぞ、パズル遊びに何度でも付き合う」「包丁を持たせてあげて、一緒に料理・お菓子を作る」といった「物ではなく、体験のご褒美」を用意してあげるのなら、ご褒美作戦も健全で素敵なものになるかもしれません。

3:「どうしてこんなこともできないの」

大人にとっては簡単にできることでも、子どもにとっては難しい、ということはたくさんあります。年齢による発達もあれば、個人差もあり、たとえ同じ年代の他の子ができているからといって、我が子もできるとは限りません。

そんなときに、自分ならできるから、お友達ができているからと、ついイラッとして「どうしてこれくらいのことができないの」と責めたててしまうと、子どもの自尊心を激しく傷つけてしまいます。「自分はできない子」というレッテルを自分自身で張り付けてしまいかねないですし、自己肯定感も育ちません。

できないことに目を向けるのではなく、できたことを認め、比較するならもっと小さかったころの子ども自身と比べて「〇歳の頃はできなかったのに、今はこんなにできるようになった!」という比較を。もちろん、褒めるときのみに効果的な比較です。