眠れない、寝ているのに疲れが取れない、育児で睡眠不足……。このように睡眠の悩みを抱えている子育てママは多いかもしれません。
また、コロナ禍によるストレスでイライラしたり、緊張したり無理をしたりすることで、睡眠に悪影響が出ることもあるようです。
そこで今回は、ママたちが抱えがちな睡眠に関するお悩み別に、漢方医でたまきクリニック院長の玉木優子先生に、原因と解決策を解説していただきました。
子育て中のママが抱えがちな3つの睡眠悩みと解決のヒント
1: ストレスで眠れない
よくある悩み
「育児やコロナによる環境変化によるストレスやプレッシャーなどで、夜になってもイライラや不安、興奮がおさまらず眠れない」
玉木優子先生(以下、玉木)「育児のストレスやプレッシャーで身体は疲れているのに、目が冴えて眠れない・夜中に目が覚めてしまう・早朝に目が覚めてしまい、その後眠りたいのに眠れないなどの症状を訴えるお母さんは少なくありません。
また、このような状態が続くと眠れないことにイライラし、ストレスがたまり、疲れが取れず、日中の眠気で家事や育児も思うようにいかなくなることも。
夫や子どもに当たってしまったり、そんな自分を責めて自己嫌悪に陥ったりしているうちに育児ノイローゼや子育て鬱になってしまい、不眠がより深刻になってしまうこともあります」
原因
玉木「育児によって脳が興奮気味となり、自分の思うようにならない子育てに対してのイライラ・不安などにより、自律神経が交感神経優位になることが考えられます。
特に第1子の場合、母業という初めての慣れない仕事に、このような状態になることもあるでしょう。
また新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染防止対策など、普通の育児・家事に加えて、やらなければならないことも増え、心配することが格段に増えてきていることも昨今の不眠の原因となっています。
コロナの影響で子どもの交流や外遊びも減り、子どもの寝つきも悪くなったり、夜泣きやぐずりが増えたりして、それに伴い母も不眠になるというケースもあります」
生活習慣による対処法
- 決まった時間に起きて日光に当たる
- 適度な運動を毎日する
- 寝る前のコーヒー・紅茶は控え、ルイボスティーなど、リラックス効果のある健康茶やホットミルクなどにする
- 食事の際は、満腹でもなく空腹でもなくほどほどの状態にする
- お風呂で身体を温め、心身をリラックスさせる
- エアコンや除湿器で温度・湿度を快適にする
- 好きな香りのハンドクリームを塗る(手荒れにも効果あり)
- 自分に合った寝具を選ぶ
など
ストレスによる不眠に用いる漢方薬
抑肝散(ヨクカンサン)
神経過敏で興奮しやすく怒りやすい・イライラする・眠れないなど神経が高ぶる方で、子どもの夜泣きや疳の虫にも効くので、医師の指導により母児同服(母と子が同じ漢方を飲むこと)する場合も。
興奮しすぎた気を静める作用があり、眠りに導く効果あり。
抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
抑肝散に比べ、より体力が低下して症状がより慢性化している場合に。
眼瞼痙攣(がんけんけいれん/瞼を閉じる筋肉である眼輪筋がけいれんすること)や手足の震えにも効果あり。