2: 子どもと一緒に昼寝をするので夜眠れない

よくある悩み

「昼間、子どもと一緒に昼寝する習慣があり、夜眠れない」

原因

玉木「妊娠・出産・授乳によってホルモンバランスが乱れ、日中眠気があるため、昼寝をしすぎてしまうことが考えられます。

体力・気力がなく、疲れやすいので、横になっているうちに寝てしまい、昼寝の時間が長くなりがちです。昼寝の時間や長さにより、人間に本来備わった体内時計が乱れてしまっている状態です」

生活習慣による対処法

  • 昼寝は16時前までとし、1時間以上寝ない
  • 食事やおやつは決まった時間にとり、夕方眠くなったら早めに夕食を済ませ、20~21時頃には寝るようにする
  • 「朝起きたら日の光を浴び、暗くなったら寝て、明るくなったら起きる」という人間本来のリズムに合わせたメリハリのある生活をする
  • 身体を温め、血行を良くし、気力・体力を上げる

気力・体力の低下や、精神不安に用いる漢方薬

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

全身倦怠感・体力低下・産前産後で衰弱している場合に服用。

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

気力低下・気分が塞ぎ神経症傾向で精神不安がある場合に服用。

3: 睡眠時間が少ないのに、夜眠れない

よくある悩み

「赤ちゃんに合わせた生活で、自分の睡眠時間が少ないのに、なぜか夜、眠れない」

原因

玉木「授乳期間中は、夜泣きや夜間の搾乳やミルク作りで寝不足になり、子どもが大きくなっても、育児に加え、家事・仕事などで自分の時間を削ってしまい、脳がキャパシティオーバーになりがちです。

子どもの発達状態や教育問題、家族やママ友との関係、コロナ感染に対する恐怖など、心配事も後を絶ちません。

赤ちゃんの生活リズムに合わせることで、自分のペースが保てなくなり、ストレスから眠れなくなり、『寝なければいけない』と思えば思うほど、眠りにとらわれ眠れなくなってしまうという悪循環をもたらすことも多く見受けられます」

生活習慣による対処法

「一晩の睡眠のうち、ぐっすり眠る『脳の睡眠』は前半、夢を見る『身体の睡眠』は後半に現れ、これらの睡眠がバランスよくとれると翌日は快適に過ごせます。

脳が休まっていないと感じるときは日中、少し瞑想したり、赤ちゃんと共にリラックス効果のある音楽を聴いたり、日光浴をしたりして、少しまどろんでみると良いでしょう。

体が休まっていないと感じるときはストレッチやヨガなどで身体をほぐすと、心もほぐれてきます」

ストレスや体力低下による不眠に用いる漢方薬

酸棗仁湯(サンソウニントウ)

体力が低下し心身ともに疲労している場合に服用。

加味帰脾湯(カミキヒトウ)

虚弱体質で精神不安がある場合に服用。