外国人観光客にも人気のある艋舺夜市

台北の浅草、艋舺(萬華)Webツアーの第5回目は、裏通りから抜け出し、人々の集まる夜市へと足を向けてみよう。

「台湾には蛇の生き血を飲ませる夜市があるらしい」

私ぐらいの年代なら、そんな話を聞いたことがあるのではないだろうか。

70年代から90年代にかけて特に日本人旅行者に人気があった華西街夜市では、確かに蛇の血を飲ませる屋台があった。この夜市はかつて艋舺の中心であり、他にも担仔麺やフルーツシェークなど台湾ならではのグルメが目白押しだった。

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  • 『龍都冰果専業家』のかき氷。4種〜8種のトッピングを選ぶことができる。甘さが自然なのでたくさん食べられる
  • 艋舺はシニアの街でもある
  • 『豊原排骨麺』の外観。本店が台中の豊原にあるが、艋舺の店のほうが広く、並ばずに食べられる
  • 『四方阿九魯肉飯』の外観
  • 『四方阿九魯肉飯』の魯肉飯

当時の艋舺には赤線地帯が存在しており、蛇の生き血とともに夜の華西街周辺にはちょっと大人びた、怪しげな雰囲気が漂っていたものだ。

そうした全盛期から比べると人の足が遠のいてしまった艋舺だが、ここ数年はレトロブームのおかげでだんだんと人気を取り戻しつつある。

艋舺夜市(廣州街)周辺地図 ※『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』光瀬憲子著(双葉社)より

艋舺夜市

龍山寺の正門の前は廣州街という大通りだ。西へ向かうと以前このWebツアーでも触れた「龍城号」や「剝皮寮歴史地区」があるが、東へ向かうとすぐに「艋舺夜市」という看板が目に入る。

廣州街に屋台が並び、本格的な夜市となるのは夕方の4時頃から。だが、廣州街の両側には飲食店が軒を連ねているので、夜市の時間帯になる前から食べ歩きを楽しめる。

濃厚な魯肉飯、これぞ庶民の味

『四方阿九魯肉飯』の魯肉飯

最初のおすすめは廣州街と西園路の角にある食堂『四方阿九魯肉飯』だ。開放的で清潔感があり、メニューも豊富。

店名通り、看板メニューは魯肉飯。じっくりと煮込まれた濃い味付けの魯肉に肉鬆(ロウソン)という肉でんぶと黄色いタクアンが添えられている。オーソドックスで安定感のある魯肉飯に合わせて、各種スープや白菜の煮込みなども頼めば野菜もしっかりとれる。

テイクアウト用の弁当にもしてくれるので、この店の魯肉飯弁当を機内食の出ない帰りの飛行機(LCC)用に購入したこともある。

骨付き豚の唐揚げオン・ザ・ヌードル

『豊原排骨麺』の排骨麺

さらに廣州街を西へ進むと、左手に『豊原排骨麺』という大きな看板が見えてくる。こちらは骨付き豚唐揚げが乗った太いスープ麺が人気の店。

台中の豊原という場所にある排骨麺ののれん分けである。豊原の本店は店内が狭いというのもあるが、平日でも大行列ができるほどの人気店。艋舺の店も味は同じなのでぜひ立ち寄ってみてほしい。

『豊原排骨麺』の外観。本店が台中の豊原にあるが、艋舺の店のほうが広く、並ばずに食べられる

甘めだが色の割にはあっさりとした味付けのスープで、太い麺と唐揚げは食べごたえバッチリ。女性なら2人でシェアしてもいいだろう。