資産運用において、利回りを年間1%改善するのは、簡単なことではない。500万円の貯蓄があったとして、1%は5万円。資産が何千万、何億となると運用が重要になるが、一般的な家計において、運用の得手不得手はそれほど大きく影響しない、と考えてしまうのもいいだろう。
「それでも、できればお金は増やしたいし、1000万円を超える預金が銀行で保護されないことからも、上手く運用したいと考える人は多いでしょう。そこで悩ましいのは、どんな金融商品を買うべきか、ということ。
しかし、実際のところ個人が投資を検討する際に、“買ってもいい”と言える商品は非常に少ない。運用の中身が分からない商品、実質的な手数料の分からない商品、同類の商品より手数料が明らかに高い商品、ゼロサムゲームの投機リスクがある商品は、買うべきではない」
山崎さんが勧める運用法は、いたってシンプルだ。まずは家計の状況を把握し、資産配分計画を立てる。運用に回していい金額の目安は、「3割損をしても問題ない金額」だ。
そして、銀行や証券会社が勧めるままに金融商品を買わず、中立的な立場の人からアドバイスを受けて、手数料の安いネット証券で購入する。
「一案としておすすめするのは、あれこれ迷わずに、国内株としてTOPIXに連動するインデックス・ファンドに50%、外国株は先進国・新興国それぞれの株価指数に連動するインデックス・ファンドに25%ずつ、分散投資すること。そして、急な出費が必要になった場合には、迷わず売却することです。特に初めての投資であれば、シンプルに、リスクがなるべく少なく、それでいて成果が期待しやすいものを選ぶべきでしょう」