赤ちゃんは自ら「ハイハイ」し、身体の使い方を学ぶ
Cカーブを保つことに加え、もう1つ重要なのが、赤ちゃん期に「ハイハイ」をたっぷりすること。早くから無理にお座りさせたりせず、赤ちゃんの自然な育ちをサポートしてあげたほうがいいそうです。
露木「人間は2本の足で立って歩く機能が遺伝子に組み込まれているため、誰に教わらなくとも自然にハイハイから膝立ち、立って歩くまでのことを全部反射でできるようになります。
ハイハイすることで、赤ちゃんは初めて身体が床から離れ、さらに身体が縦になるという、非常に大切な反射を学びます。
うつぶせからちょっとずつ起き上がり、手をすべらせて失敗したりしながら、倒れないように重力に対してバランスをとり、倒れそうになったら手を出す。たくさん反射を出して、体勢の整え方や防御反応を少しずつ学んでいくわけです。
それが全部できて初めて、自分で立って歩くことができます。だからハイハイをしないというのは、その反射が出ない状態にしていることになり、大切な過程がごそっと抜けてしまうことになります。
『うちの子は全然ハイハイしなかった』という赤ちゃんは、ハイハイができない環境にあったのだと思います。早くから座らせてしまうんですね」
露木「首が座ってきたから今度は腰を座らせよう、離乳食を食べさせるために座らせなければ……というイメージがあるようで、赤ちゃんの後ろにクッションを敷いて倒れてもいいようにしておいたり、お座りグッズなどを使ったりして、無理やり座らせてしまう。でも、それは本来必要のないことなんですね。
ハイハイしないで座ってしまうと、うつ伏せになった時に、『あの時の座る体勢にして~』と泣く。それで、『ハイハイより座るのが好きなのね…』とまた座らせる。そうすると、身体の使い方がわからないままで、倒れた時にも反射で手が出ず、頭を打ってしまったりするのです。
極端な場合では、ハイハイしないで座りました、次に立たせました、今度は手を引っ張って歩かせました……と。そうなると本当に転んでも手が出ない子になってしまいます」