夜泣きがひどい、起きていても機嫌が悪くてぐずってばかり……そんな毎日だと、子育てがちょっとつらいものになってしまいますよね。
でも、じつはそんな悩みは、赤ちゃんの「体幹」を整えると解決できる可能性が高いだそう。
『「体幹」を整えると子どもは素直に育つ--ぐずる子、夜泣きは「歪み」が原因』の著者であり、2000組のママと赤ちゃんを指導してきたフィットネス・インストラクターの露木由美さんにお話を伺いました。
「Cカーブ」で寝かせるとゴキゲンな赤ちゃんに
露木さんによれば、体幹は「鍛える」というより、「整える」もの。
そして赤ちゃんの体幹を整えるということは、身体の機能全体が正常に働き、心の状態もよくなる、つまり心と身体のすべてが快適になるよう整えることだといいます。
そのためにはまず、赤ちゃんの背骨の「Cカーブ」をキープすることが重要だとか。赤ちゃんの背骨は、大人のような「S字カーブ」ではなく、背中が丸まった「Cカーブ」の形状をしているのです。
露木由美さん(以下、露木)「『赤ちゃんは平らなところに寝かせる』というのが、なんとなく当たり前になっていますよね。大の字になって寝ていると、のびのびとしたイメージがあります。
けれども実は、赤ちゃんの背骨はCカーブになっているため、平らに寝かされることに対してすごく違和感があるんです。体の構造上無理があり、体がよじれてしまうんですね。
そうすると向きグセができてしまい、同じ方向ばかりを向くようになります。正確には、向きグセというより、そうならざるを得ないからそうなってしまう。それが積み重なると、どんどん体がこわばってきます」
赤ちゃんにとって、体がこわばった状態は不快な状態。そのため、いつも機嫌が悪い、夜泣きする、おっぱいを上手に吸えないなど、いろいろなSOSサインを発するのだとか。
「赤ちゃんのCカーブを保って寝かせることで、まずはそこが安定してきます。赤ちゃんが安心して心地よく寝られるポジションというものがあり、その体勢を整えてあげると、あまり大きくぐずらなくなるのです。
わたしが長年いろいろな赤ちゃんを見てきた中では、どんなにぐずって泣いても、その体勢にすることで8割~9割方、ぐずりはなくなります。もちろん、『お腹がすいた』とか『おむつ変えて』とか、何かお知らせしたい時には泣きます。『抱っこして』とか、夕方だからなんとなく泣く、ということも確かにあります。
でもほとんどの場合、Cカーブの状態で寝かされている子はぐずることがありません。快適になるから、泣く理由がなくなるのです。むしろ大丈夫かなというぐらい(笑)、すやすやすやすや、ずっと寝ています。
赤ちゃんの頭の形が悪いという相談も多いのですが、寝かせ方を変えるだけで、きれいな頭の形になります。
また、おとなしくずっと寝ていて反応がなかったような赤ちゃんも、快適な眠りを教えてあげると顔がほわっとやわらかくなって、泣いたり笑ったりするようになりますね」