子どもに口癖のように言ってしまうのが「もうやめて!」「それはダメ!」という言葉。
おもちゃ箱のおもちゃをひっくり返し、部屋中を散らかしてしまったり、ティッシュペーパーを箱から次々と引っ張り出したりしている姿を見ると、思わず「ダメ!」という言葉が出てしまうものです。
しかし、その口癖のように言ってしまっている言葉が、子どもの可能性をつぶしてしまうかもしれないと聞いたら頭ごなしに「ダメ!」と叱れるでしょうか。
脳科学者である茂木健一郎さんも「ダメ」という言葉は「子どもの可能性を見つける『宝探し』という観点においては、決しておすすめできない」と言っています。
なぜ「ダメ」という言葉が、子どもにとってよくないのでしょうか。
今回は、茂木健一郎さんの著書『5歳までにやっておきたい 本当にかしこい脳の育て方』を参考に、「やめて!」「ダメ!」が子どもの可能性をつぶしてしまう理由と、子どもの可能性を見つけ出し「脳の土台」を作るために親が心がけたいことについてお伝えします。
5歳までは「学びの黄金期」!
0歳から2歳くらいの赤ちゃんに見られる不思議な行動と言えば、おもちゃ箱をあさりながら、おもちゃを次から次へと出すだけ出して結局は遊ばないという行動。そして本棚から全ての本を出して、開こうともせず積み木のように積むだけ積んでおしまい、といった行動。
どちらもママから見れば部屋を散らかすだけの行動にしか見えず、思わずイラっとしてしまいますが、子どもにとっては決して無駄ではなく、自分が置かれた環境を探索するという「意味のある行動」なのです。
子どもは自分の置かれた環境下で可能性を感じれば、すぐに試してみたくなります。ですから先ほどの本を積み上げる行動も、どのくらいの高さまで積み上がるのかを試しているということになるのでしょう。
それはまさしく子どもの脳がぐんぐん発達している証拠であり、5歳まではそういった行動が多い「学びの黄金期」だと脳科学者である茂木さんも言います。
「ああ、この子は今、脳が成長している時なんだ」と見方を変えれば、ママのイライラも少しはなくなるのではないでしょうか。
人間の脳は5歳までに出来上がる!?
5歳までの子どもは「学びの黄金期」であり、日々の出来事すべてにドキドキ、ワクワクを感じています。
このドキドキ、ワクワク体験は子どもの脳にドーパミンという物質を分泌させ、特に楽しいことを経験した時は出やすいと言われています。そのため、楽しいことに熱中しているとドーパミンはよりたくさん出るため、人間を意欲的にすると言われているのです。
この意欲こそが、子どもの「集中力」や「創造力」を育て、「脳の土台」を作り上げると茂木さんは言います。
また、茂木さんは「人間の脳は5歳までに出来上がる」とも言っていることから、5歳までは色々なことに興味を持たせ、興味を持ったことに対して最後まで集中してやり遂げられるような「脳の土台」を作るための環境が必要だと言えますね。