自分の思い通りにならないと感情を爆発させるなど、感情をコントロールできない状態、いわゆる「キレる」という言葉を耳にするようになってずい分経ちますが、これは日本だけの問題ではありません。

アメリカでも、その原因や対策を探る研究がなされています。

今回は『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたいしつけと習慣』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴が、アメリカの研究を参考に、感情的な自己統制力をつけるには、3歳の時の生活習慣が大切というお話をしたいと思います。

キレるとは

  • 自分の思い通りにならないと癇癪を起す
  • 注意されると暴言をはく
  • やっていることがうまくいかないと八つ当たりする
  • 腹を立てると暴力をふるう

など、子どもだけではなく、若者や老人にもキレやすい人が増えていると言われます。キレやすいということは、自分で自分の感情のコントロールがうまくできないということです。

その原因は、大人からの虐待、貧困、過度のストレスなどをはじめ、子どもの自己肯定感の低さや、親がキレやすいと子どももキレやすくなる、とも言われています。

今回、新たに、アメリカのオハイオ州立大学から、3歳の時の生活習慣が影響するという研究が発表されました。

オハイオ州立大学の研究

オハイオ州立大学の研究者は、3歳時の家庭内での日課のうち、就寝時間、食事時間、TVなどの映像の視聴の制限(1日1時間)の3項目について調査しました。

そして、子どもがどれくらい簡単にイラつくか、過度に興奮するかという、子どもの自己統制力について、親からの回答を分析しました。

その結果、3歳時の規則正しい就寝時間、食事時間、スクリーンタイムの制限が、子どもの感情や行動の自己統制力に影響し、子どもの肥満リスクも軽減できるとしています。

0歳から3歳までの成長はとってもダイナミックです。

2歳までは、主に身体的に大きく成長します。生まれて2年ほどで、歩けたり走ったりできるようになるのです。そうして、身体的に不自由なく動けるようになった2歳から3歳にかけて、今度は精神的な成長が始まります。

例えば自分の意思通りに身体を動かすとか、感情をコントロールするというような、より高度な成長へと向かう時期なのです。

日本では昔から、「三つ子の魂百まで」と言われていますが、現在の科学的研究でもその重要性が裏付けられたのです。