ママに、子どものことについて「どんなお子さんに育ってほしいですか?」と質問すると、「人に迷惑をかけない子に育ってほしい」と返ってくることがあります。
でも、これが過度になると、あまり良くないことが起こります。
「人に迷惑をかけない子に育てる!」「どこへ出しても恥ずかしくない子に育てる!」
これらは、裏を返せば軸が他人にある“他人目線”です。他人からどう評価されるかが最優先のポリシーのように聞こえます。
「人に迷惑をかけない子」の子育て方針が過度になることの問題点について『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子がお話しします。
「人に迷惑をかけない子」の子育て方針が行き過ぎると…
耳に心地よいまっとうな方針も、別の見方をすると、将来、次のような大人になってしまうリスクがあります。
- 人に迷惑をかけない子→困ったときに人に助けを求められない人
- どこへ出しても恥ずかしくない子→自分が他人からどう見られるかを最優先する人
- 我慢ができる子、弱音を吐かない子→「辛い、苦しい」と本音を言えない人
- わがままを言わない子→自己主張しない人、他人の批判を気にして自分の意見を言わない人
乳幼児期にだけスポットを当てると一見いい子に見えても、人の一生として長いスパンでとらえた場合、それが弱点になってしまうこともあります。
そして、これに縛られてしまい、人として生き辛さを抱えてしまうこともあります。何でも自分一人の力でやり遂げるように育てられた子どもは、「人に頼ることは恥ずかしい」と思っているかもしれません。
また、これらを強く刷り込まれた場合、自分に対してだけではなく、他人に対して厳しくなる場合もあります。自分にはそれがどうしてもできないため、人に甘えられる人を許せなくなったり、泣き言を言って途中であきらめる人を認めることができなかったり……。
そうなると、人間関係もギクシャクしてしまいますよね。