「やめて!」「ダメ!」は子どもの可能性をつぶす?
5歳までの学びの黄金期は子どもの脳がぐんぐん成長するため、脳の土台を作る上で重要な時期だということが分かりましたが、そのような大切な時期に「やめて!」「ダメ!」を言われ続けると、子どもの「やる気」は簡単に失われてしまいます。
その結果、何に対しても興味が持てない子になってしまい、さらには自立心が乏しく、自発性に欠ける子どもになってしまう可能性があるため注意が必要だと茂木さんは言います。
小学生が「塾へ行きたい!」「英語を学びたい」と言うのは、子どもに意欲があるからです。そのような時に「ダメ!」と言われれば、一気にやる気が喪失しますし、もう二度と挑戦するもんか!という気持ちにもなってしまいます。
それと同じで、0歳から5歳くらいの子どもに対しても、意欲ある行動をしている時は、頭ごなしに「ダメ!」は避けたいものです。
子どもに意欲がある時の「ダメ!」は、自立心や自発性にも影響します。それはつまり子どもの可能性をつぶしてしまうも同然ですから注意が必要ですね。
「脳の土台」を作るために親が心がけたいこと
子どもの「脳の土台」を作るために親が心がけたいことは「子どもの邪魔をしない」ということと、「子どもにとっての安全基地になる」ことだそうです。
子どもの邪魔をしない!
子どもの脳の土台作りのためには、「やりたい」「学びたい」を「ダメ!」で止めてしまうのではなく、危険を伴うことでない限り、出来るだけ見守って観察してほしい、と茂木さんは言います。
やる気を止めてしまわないことが、子どもの可能性という「宝」を見つけることにもつながるのです。
子どもの可能性を知らず知らずのうちにつぶしてしまうことがないよう、親として意識したいですね。
子どもにとっての「安全基地」になる
忙しい時にすり寄ってきて「一緒に遊ぼうよ」「ママこれ読んで」とまとわりついてくる子どもにイライラするママは少なくありません。
忙しいとウザったくも感じますが、実はこのような行動は子どもにとっては重要な「安全基地」と呼ばれる愛着行動なのです。
安全基地とは、子どもが親に体を預けて心を安定させるための行動で、親に心のよりどころを求める「心の安全基地」の意味を持ちます。
いつでも戻れる、安心できる場所、つまり親の存在があるからこそ、子どもは外の世界へ飛び出し、冒険できるというものです。
ですから「心の安全基地」は子どもにとって重要な役割を果たしますから、親としては提供してあげたいですよね。
このように、子どもの可能性を見つけ出し、「脳の土台」を作る上で重要なのが、学びの黄金期である0歳から5歳の時期に子どもの「やりたい!」を「ダメ!」でつぶしてしまわないことです。
子どものやる気を尊重して静かに見守り、子どもにとっての安全基地を提供してあげることこそ、親として心掛けるべきことだと言えます。
子どもの脳の土台づくりにおいて必要なのは、たくさんの習い事に通わせたり、厳しいしつけをしたりすることではありません。
何かひとつでも興味あることを見つけ出し、集中してやり遂げられるよう、親がサポートすることです。
思わず「ダメ!」と言ってしまいそうになった時、「脳の土台」を思い出してみませんか。