「ハイハイ」は目や心の発達にとっても重要

露木「赤ちゃんはうつぶせになった時、近くのものに視点を合わせる練習をしています。近くのおもちゃで遊んだり、ちょっと先にいるお母さんに目線を合わせたり、遠くの壁を見たり。

うつぶせになった時に、近く、中間、遠く…と見ることを繰り返し、目の機能が発達します。

専門家の話によれば、それはその時期にしか習得できないことなんだそうです。

そのため、通常の生活やスポーツをする程度ならば、後から訓練してリカバリすることは可能ですが、トップレベルのスポーツ選手になろうといった場合には、そこで限界が出てきてしまうとか。

またハイハイをしなかった影響で、近くのもの、教科書などを両眼視する能力が育たず、文字を読んでも内容が頭に入ってこないといった障害が出てきたりもするそうです。

物との距離感だけでなく心にも影響していて、人とコミュニケーションがとりづらい、時間を守れないといった、人との距離感や時間の概念にも影響があり、それが目のトレーニングをすることで解消できることもわかってきています」

1~2カ月はハイハイを。ゆっくり見守ってあげたい

露木「赤ちゃんがハイハイしないときは、させてみてください。家がフローリングだと、ずりバイはするけどハイハイをしない、ということが多いです。ずりバイですいすい行けてしまい速く移動できるから、ハイハイする必要がなく、どこかにつかまって立ってしまうんですね。

でもやはり、1~2カ月はハイハイするようお奨めします。ずりバイもハイハイも、それぞれ働きが違いますので。公園や芝生の上などに行くのは大変かと思いますが、一生のことを考えたら、ほんの数回で済むことなので、させた方がいいですよと言っています。

ゆっくりでも、見守っていれば必ずできるようになります。安心して、見ていればいいだけなんですよ」

つい、何でも先回りしてやらせてしまいそうになりますが、赤ちゃん本来の育つ力にまかせることが大事なようですね。

露木さんの著書『ぐずる子、夜泣きは「歪み」が原因 「体幹』を整えると素直に育つ』には、そのほかにも、ママと赤ちゃんが元気になれるヒントがいっぱい。

Cカーブの上手な保ち方や、赤ちゃん期にハイハイできなかった場合のリカバリ方法なども掲載されています。ぜひお手にとってご覧くださいね。

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。