在宅ワークに適していると思われる出産・育児の後の女性。仕事復帰するための準備としても役立ちます。けれど 在宅ワークと子育てとの両立はむずかしいのも事実です。
そこで今回は、女性の在宅秘書を派遣している会社の担当者の方に在宅ワークと子育ての両立法を伺いました。
子育て中の在宅ワーカーよくある悩み「収入の不安定さ」
子育て中であっても、自宅でパソコンとインターネット環境さえあれば気軽に、時間を問わずはじめられる在宅ワーク。子育て中の女性は在宅ワークをしながらどんなことに悩んでいるのでしょうか。
平成24年度厚生労働省委託事業「在宅ワーカーの就業意識に関する調査」によると、全国の15~69歳の在宅ワーカー1,239人中、在宅ワークで困っていることとして、「収入、仕事量が安定しないこと」が71.9%、次いで「単価が安いこと」で54.9%と、収入の不安定さが多くを占めていました。
「家事等との両立」については13.8%であり、2012年時点では悩みとしてはそれほど大きくはないようです。
当面は収入面が悩みがちではあるものの、在宅ワークを経験するにつれて、「どう両立するか?」に目が行くようになのでしょうか。
育児と仕事の両立のコツ
「在宅秘書サービス」では、バリバリ働いていた女性が家庭に入った後、その優れたスキルを活かして働いていることが多いそう。その点、これまでの仕事経験から、育児と在宅ワークの両立もしっかりしている方もいるそうです。
酒井さんもかつては両立に奮闘した一人。その両立のコツやテクニックを教えてもらいました。
在宅ワークの自己管理をうまく行うには?
酒井「在宅ワークでは、よく『自己管理』が最も重要だといわれますが、そのための具体的なツールとして、当社、及び私自身、以下のようなものを活用しています」
1. ストップウォッチ・アプリを活用
酒井「当社では、業務時間の管理や適正工数の確認のために、代表や役員含め、スタッフ全員がPCのデスクトップ上で作動するストップウォッチ・アプリを活用しています。
私はこれを仕事と家事育児の切り替えにも活用しています。例えば『この業務は●時まで』『●時になったら子供の宿題を見てあげる』と決めて、その時間になったら業務が途中であってもとにかく一旦止めて、決めたことに取り掛かるようにしています。
子どもがある程度の年齢になったら、業務に集中しているときに子どもが『ねえねえ」とおしゃべりを始めようとしても、『このタイマーが●時になったらしゃべろうね!』ときっぱりと告げています。
その代わり、その時間になったら必ず手を止めて『はい、お待たせ!お話できるよ!』と時間を守るようにすると、子供もママの仕事を待ってくれるようになります」
2. 仕事と家族の用事を分けずに『一元管理』
酒井「仕事が忙しいときは家事や家庭・学校の用事などが重なり、『あれもこれもやらなきゃ~』という精神状態に陥ってしまいがちです。そうならないために、まずはタスク化を行っています。
ポイントは、仕事と家族の用事を分けずに『一元管理』すること。例えば私の場合は、自身のオンライン・カレンダー(全社員と共有)とタスク管理ツールに、
- ○月○日●時 ■■様へメール返信
- ○月○日●時 子ども通院→夕飯の買い物(きゅうり、豚肉)
- ○月○日●時 ▲▲様オンラインお打合せ
など、家族のことなど私的な予定も、できるだけ具体的にタスク化しています。そうすることで、焦らずに、目の前のことを一つずつ、対応していくことができます」