「毒親」という言葉を聞いたことはありますか? 身体的・精神的に子どもを支配したり子どもを傷つけたりする、子どもにとって有害な父親・母親のことを指す言葉で、近年社会問題にもなっています。
毒親に悩まされる子どもたちは増えています。「自分は大丈夫」と思っている親もいれば、もしかしたら自分もそうなってしまうかもと時々不安になる親もいるでしょう。
問題は、普通に子どもを愛しているつもりで結果的に子どもの人生を縛る親になる危険性は、誰にでもあるということです。
作家であり演出家でもある鴻上尚史さんは、近年、人生相談の回答者としても活躍されています。
鴻上さんの、中高生とその親を対象とした書籍『親の期待に応えなくていい』(小学館 Youth Books)を参考に、まさか自分は毒親ではないだろうと思っている人も含めて、毒親チェックを行ってみましょう。
「毒親予備軍」3つのチェックリスト
虐待など明らかに毒親といえることではなく、「日頃の子どもへの接し方に毒親の芽がひそんでいるかもしれない」と知ることが、そうならないための一歩だといえます。
まず以下のチェック項目をみてみましょう。
- 「子どものことは自分がいちばんよくわかっている」と思う
- 行為ではなく、人格を否定的な言葉で決めつけるような叱り方をする
- 親自身の人生を否定する言葉を普段から口にする
「虐待をしつけと言う」などは論外ですが、よかれと思ってやっていることが、子どもを縛ることにつながる危険性があるとは気づきにくいもの。
ひとつずつ、具体的にどんなことなのかみていきます。
当てはまったらまずい!「毒親予備軍」の特徴を解説
「子どものことを一番理解しているのは私」という思い込み
確かに子どもが小さいうちは、両親、特に母親が「子どものことを一番理解している」というのは事実だと思います。
ですが、子どもが成長するにつれ、それまで素直でいい子だった子どもが言うことを聞かなくなったり親を無視したりして、親子関係に変化が訪れます。
このときに大切なのは過干渉にならず、子どもを「個人」として尊重し言動を見守ること。「あの子のことは自分がいちばんわかっているから」と、あれこれ先走って手や口を出してしたくなるのはNGです。
書籍『親の期待に応えなくていい』では、親の期待に応えようとしてしまう子どもの心理のひとつとして「親が一番自分のことを分かってくれていると思うから」を挙げています。
子どもが自分の人生を歩むために、まず親が一歩引くことが必要になってきます。