子どもの人格を「否定的な言葉」で決めつけるのは“愛し方が下手な親”

子どもを愛するのにも得手不得手はあります。愛し方が下手な親がやりがちなのが、子どもがなにかしたときに、その「行為」ではなく「人格」を否定する言葉を発してしまうこと。

たとえば、おもちゃをめぐって子ども同士でトラブルになることってありますよね。

そんなときに「あんたはわがままだね」と言うのと、「お友達にもおもちゃを貸してあげられないのはわがままだと思うよ」と言うのとでは、言われた子どもの気持ちはまったく違ってきます。

そんな言い方をされ続ければ、子どもは「自分はわがままなんだ」「ダメな子なんだ」と自分の存在価値を下げて考えるようになるでしょう。

否定的な言葉をかけられ続ければ、学校生活でも我慢をしすぎてしまったり、自分の意見をなかなか言えず、人間関係に問題が出てしまうこともあります。

人格を否定するようなことを言ったからといって、その親が子どもを愛していないということではありません。むしろ愛しているからこそ子どもへの要求が高くなった結果、そんな言い方をしてしまうのです。

子どもを叱るとき、注意するときは感情的にならず、なぜそう言うのかを明確にして伝えることが大切です。できればネガティブな言い方でなく、ポジティブな言い方だとよりベターですね。

「ママみたいにはならないでほしい」という呪い

子どもは親が大好きです。なのにその親が、自身の人生を否定する言葉を普段から口にしていたらどうでしょうか。

書籍『親の期待に応えなくていい』には、早く結婚したことを悔やんで専業主婦である自分を卑下している女性を母親に持つ女子中学生の例が出てきます。

小さい頃からそんな母親の言葉を聞いているうちに、彼女のなかには結婚や専業主婦に対する偏ったイメージが植え付けられてしまったそうです。

本来なら子どもは成長するにつれ、自ら可能性を見出したり、自分の行動を選べるようになります。親としてもそうなってもらわなくては困るはずです。

が、親のなかには無意識のうちに子どもに呪いをかけてしまう、悪影響なケースもあるということですね。

そうしないためには親がまず自分の人生を充実させることが重要になります。良くも悪くも親は子どものロールモデル。幸せな家族の姿がそのまま子どもの学びになるのです。

子育ての本来の目的は「子どもを健康的に自立させること」。自立とは経済的にだけでなく、もちろん精神的なものも含みます。

そのため、できれば子どもが小さいうちから、親がこまめに毒親チェックをする習慣をつけることをおすすめします。

また、親自身の親が支配的だったということが原因のひとつであることも大いにあり得ますから、まず自分の育った家庭環境を見直すのも助けになるでしょう。