「8号車との絆があってこそのライブ」

超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 『Hoopla!』」

そしてライブは終盤へと差し掛かるが、トップスピードのまま超特急は走り続ける。スモークの中から衣装をチェンジした5人が登場し、披露したのはジャズサウンドにコミカルな歌詞を乗せた『Table Manners』を緩急のあるダンスで魅せる。

「会えない時期に聴いた曲ベスト5」にもランクインしていたダンスナンバー『Fantasista』は大人っぽい雰囲気を醸し出し、大人の表情も垣間見せる。さわやかな『Asayake』のあとにはユウキのラップで始まる『Booster』。ダンサー陣のラップをしながら目まぐるしく変わるフォーメーション、アクロバティックなダンス……とここに来てさらにボルテージを上げてくれるのが超特急だ。カイの「ラストスパート!」という言葉と共に『Burn!』、『バッタマン』でテンションを振り切る。

「楽しい時間もあっという間で残りわずかとなってしまいました」とリョウガが切り出し、最後の曲を前にメンバーそれぞれから8号車に向けてメッセージが届けられた。

超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 『Hoopla!』」

カイは「まずはぴあMMに来る選択をしてくださった皆さまありがとうございます」と来場への感謝を改めて述べた。「中には昨今の事情もあり今日ここに来ないという選択をした方もいらっしゃると思うんですけども、来てくださったみなさま、来られなかった皆さま、いろんな方の想いを背負って、僕ら1年4ヶ月分を思いを込めてパフォーマンスさせてもらいました。この1年4ヶ月の間に思ったことはいろいろあったんですけどとにかく今日がめちゃくちゃ楽しかったです!」と笑顔を弾けさせた。

タクヤは「『Toooooo8』(2020年ファンクラブツアー)から約1年半の時間は進んでいるんですけど、自分たちの時間は止まったまま何をすればいいんだろうって応援の糧にもなってあげたいな、と思いつつもなかなかこう面と向かって合わせられない日が続いたんですけど」とこれまでの不安な想いを垣間見せた。

「でも、今日こうやってお久しぶりに会えてもちろん、コロナは大変ですけど、決してネガティブじゃないな、無駄な時間ではないって いうのが再確認できたし、超特急と8号車の絆があってこそより会えない時間があっても強くなれるんだなというのを今日のライブを通して思いました」と絆を確かめ合った。

超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 『Hoopla!』」

ユウキは「やっぱり俺らの場所って会場を通して8号車のみなさんと一緒にライブをしてる今が一番の居場所だな、って改めて痛感しました。本当に今日、いろんなことを忘れるために来てくださったと思うんですけど、そんな少しのきっかけにできていたら、僕たちは嬉しい限りです」そして、大きく手を広げ、「今日はアリーナから、2階から3階からみなさんお越しくださり、ありがとうございました」と会場ごと抱きしめるようにして感謝を口にした。

タカシも「本当に大変なことがいっぱいあったと思うんですけど、その中でもこうやってライブに来てくださり、本当に嬉しいな、という気持ちでいっぱいになっています」とライブができる喜びを語った。「ライブができない中で僕もメンバーも、やっぱり8号車がおらんとあかんな、と気づかされました。いまこうやってみんなの顔を見ながらライブをできていること本当に嬉しいし、幸せな時間を送れているな、と痛感しています」と笑顔で伝えた。

最後にリョウガは「久しぶりの8号車を含めたライブということで、本当に本番直前までどうしよう、と思っていたけど、8号車のみなさんの目の前に立てた瞬間に、マスク越しでもわかる幸せな表情と言いますか、というのをすごく感じました」と語り、「『Hoopla!』は始まったばかりでございます。最後までケガなくと言いますか、悲しいお知らせとか全くなく、安全に最高を更新しながら楽しんで行きたいと思っています」とこれからのツアーへの意気込みを口にした。

「いまこんな世の中ですけど本当に暗い中でも幸せなことを感じる日々っていうのがあります」とユウキ、「みなさんの中でも心が落ち込むときとかがあると思うんですけど周りを見たら、小さな光がどんどん広がっていって、いつしかまたこのペンライトのように光あふれる日々が来ると願って、次の曲を披露したいと思います」という言葉に続いて、最後の曲となったのは『Yell』。

タカシの伸びのある声に、感情豊かなダンスが乗り、そんな彼らをペンライトが彩る。8号車と再会できた喜びとこれからを歌っているようにも思える曲は、きっと会場にいたすべての人の心にエールを送り、温かな気持ちで包み込んだのではないだろうか。

トップスピードで走り抜けた本編。8号車からの手拍子に応えたアンコールでは『gr8est journey』、『走れ!!!!超特急』を披露。ステージの端から端まで駆け回り、8号車の声に応え続けた。

超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 『Hoopla!』」

ライブ後には11月23日にさいたまスーパーアリーナでワンマンライブ『BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live“Dance Dance Dance”』を行うことを発表し、8号車を喜ばせた。

結成10周年を前に、またきっと、宝物になるような瞬間を共有してくれるに違いない。

SET LIST

1. What’s up!?
2. Kiss Me Baby
3. Drive on week
4. 超えてアバンチュール
5. Pretty Girl
6.up to you
7. My Buddy
8. Clap Our Hands!
9. POLICEMAN
10. No.1
11. PUMP ME UP
12. Summer love
13. Make it hot!
14. a kind of love
15. We Can Do It!
16. LIBIDO
17. Cosmic 岬
18. キャンディ・ナイト
19. Table Manners
20. Fantasista
21. Asayake
22. Booster
23. Burn!
24. バッタマン
25. Yell

ENCORE
EN1. gr8est journey
EN2. 走れ!!!!超特急

大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。たれ耳のうさぎと暮らしている。ライブと本があったら生きていける。