マタニティブルーはよく耳にする言葉ですが、「パタニティブルー」をご存じでしょうか。
パタニティブルーとは、子どもが生まれることによって、父親が責任感や不安などから不安定な心理状態に陥ってしまうことをいいますが、10人に1人の割合で起こるそうです。
生まれた直後は子どもをとても可愛がっていたのに、最近は笑顔もなく子どもを避けるようになってきた、などといった行動が夫に見られた場合は、それはパタニティブルーかもしれません。
マタニティーブルーが産後の女性ホルモンによる影響が関係しているといわれている中、男性がパタニティブルーになってしまう原因とは何でしょうか。
今回は、夫がパタニティブルーになってしまう原因と対策についてお伝えしたいと思います。
男性が「パタニティブルー」になってしまう原因
パタニティブルーになってしまう男性の割合は、独立行政法人国立成育医療研究センターの調査結果によると10人に1人だということが分かっています。
はっきりした原因は分かっていませんが、慣れない育児へのストレスや仕事と育児とのギャップがうつ状態を招くようです。
「ストレス」と「ギャップ」から鬱状態に
日々長時間労働を強いられ、やっとの思いで自宅に帰れば、そこには育児に疲れ切った妻が待っています。夫は妻を支えようと疲れた体で育児にも参加し、妻のメンタルケアまで担当します。
休めるはずの家でさらなる仕事をしなければならない夫が抱えるストレスは計り知れません。
そして夫が育児に参加しても、妻のような的を射た育児が出来ない自分に不甲斐なさを感じ、仕事をしている自分と、育児をする自分との間で感じるギャップからうつ状態になってしまうことが多いともいいます。
国の「イクメン推奨論」が夫を追い詰める
昨今は「イクメンブーム」の高まりから、男性は仕事だけでなく、育児にも参加してこそ評価されるような社会的風潮になりつつあります。
しかし、相変わらず改善されないのが長時間労働の問題であり、男性は長時間労働を強いられながら育児まで担当しなければならないというプレッシャーを抱えているのです。
国が掲げるイクメン推奨論は、少子化という社会問題があたかも父親個人の努力不足が原因だと言わんばかりの推奨論のようにも感じますが、そういった社会的風潮と現実とのギャップに男性は追い込まれ、心や体のバランスを崩し、パタニティブルーになっていくともいわれています。
夫をパタニティブルーにしないための対策
パタニティブルーへの対処法については書籍やインターネットなどで専門家なども述べていますが、ポイントは相手を思いやり、夫婦のコミュニケーションを大切にするということです。
産後の生活をあらかじめイメージしておく
当たり前のことですが、出産後は生活がガラリと変わります。しばらくは赤ちゃん中心の生活となり、夫婦が赤ちゃんを守るために協力し合わなければなりません。
赤ちゃんが生まれてから「食事が手抜きになった」「夜泣きで寝不足になった」などのように、これまで当たり前であったことが当たり前でなくなることが増え、不満やストレスも増えるでしょうが、そうなることを事前にイメージしておくことで回避できることもあるようです。
両親学級などに夫婦で参加し、出産後の生活をイメージしておくと良いのかもしれませんね。