子どもを叱ることは「しつけ」でしょうか?

子どもが他人に迷惑を掛けるような行動をしたり、命の危険を伴うようなことをしようとすれば「叱る」ことは必要であり、それは「しつけ」と言えるでしょうが、意にそぐわない行動をする子どもに感情的に叱りつけることはしつけとは言えません。

仕事や家事、育児に追われ多忙な日々を送るママの状況を考えれば、分からないでもありませんが、親の事情と子どものしつけとは切り離して考えたいものです。

しかしそうは言っても、つい子どもを叱りつけてしまう親は多いといいます。なぜそんなに叱りつけてしまうのでしょうか。

そんな中、日常的に子どもを叱ることは「しつけ」ではなく「押しつけ」だと教育のプロである石田勝紀さんは言います。

今回は、石田さんの著書『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』を参考に、「しつけ」が「押しつけ」になってしまう理由と、そうならないための対策についてお伝えします。

「しつけ」を邪魔する親の固定概念

親の言う事を良く聞き、よく勉強し、よく遊ぶ・・・親が頭で思い描く子どものイメージや、我が子への願望とはこういうものでしょうが、果たして全ての子どもがそういう子ばかりでしょうか。

親の思い通りに育っている子どもが世の中にどれほどいるのかは分かりませんが、世間の親は何かしら育児に対し悩みを持っているものです。

思い通りにならないから悩むのであり、その悩みは「子どもとはこうあるべきだ」「こうでなければならない」といった親の持つ固定概念が原因である可能性があると石田さんは言います。

また、この固定概念が本来あるべき「しつけ」を「押しつけ」にしてしまっているようです。

「しつけ」を「押しつけ」に変えてしまう原因と対策

では、「しつけ」が「押しつけ」になってしまう原因とは何か、またどうすれば「押しつけ」を回避できるのか、事例を元にご紹介します。

親子でも価値観は違う

顔や性格が似ているのが親子というもの。顔はもちろんのこと、考えや行動まで似ている我が子の姿を見ていると、どうしても勘違いを起こしやすいのが、自分と我が子は「同質」だということです。

自分はこう考えるし、こういう行動をするから、我が子も同じことをするだろうという考えの元で子育てをするからこそ、そこから外れた行動をする子どもに叱ってしまい、それが「しつけ」ではなく「押しつけ」になってしまいます。

親が人前で自分の意見をはっきりと言える人間であれば、子どもも当然のようにそういう人間なのでしょうか。十人十色というように、自分と同じ考えや価値観を持っている人はいないと分かっているはずなのに、自分の子どもとなると、その考えが抜け落ちてしまうのです。

子どもが人前で自分の意見をはっきりと言えないのは、言えないのではなく言わないという価値観の元での行動かもしれません。

自分の子どもでも価値観は違う人間だということを認識し、自分の価値観を押しつけないようにするべきですね。