大ベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)。
2015年には映画化もされました。本作のモデルとなった「ビリギャル」小林さやかさんが
「渋谷でママ大学」というママ向けイベントを1日限定で開催することに。
イベント開催にいたったいきさつや、意気込み、今後の活動についてお話を伺いました。
子どもたちに、人生楽しんでる大人の姿を見せつけたい!
今回、『渋谷でママ大学』を開催することになった経緯を教えてください。
小林さやかさん(以下、さやかさん):ビリギャルというと、まだ世の中的には「大学生でしょ?」と思われているみたいで、なぜママ向けイベントなの?と疑問に感じるかもしれないですね。
実際は、2年くらい前から講演活動の依頼が増えてきて、全国の中高生や親御さんに話をする機会をいただいて、色んな親子の相談に乗ってきました。
学生さんからは「偏差値をあと20上げるにはどうしたらいい?」とか具体的な勉強法を聞かれるんだけど、私が講演で伝えたいのはいい大学に行けとか勉強しろということではなくて、自分がワクワクするものを見つける力を持ってほしいって話なんです。
私が慶応義塾大学に行きたいと思ったのは、恩師である坪田先生に出会って「こんなに面白い大人がいるんだな」って思って、ワクワクしたからなんですよね。
実際、講演を始めるときは、学生のみんなも「この人もどうせ先生と同じようなことを、勉強しろって言うんだろうな」って顔をしてるんですけど、「勉強がつまらなくて他に楽しいことあるんだったらそっちをした方がいいよ、これからの時代を生きていくのには好きなことをする方が強いから」って話をすると、みんなの顔が分かりやすく変わっていって、寝ずに聞いてくれる。
そのあと「私はヘアメイクさんになりたい」とか「声優になりたい」とか私にアツいメールをくれて夢を相談してくれるようになったんです。
なぜ私に夢を話してくれるのかというと、周りにそういう話ができる大人がいないからなんじゃないかなって思ったんです。
思い返してみれば私も坪田先生に出会うまでは誰もこういう大人になりたいって人がいなかったから、大学にも行く気はなかったし、大人になりたいとも思っていなかった。やっぱり周りの大人がどう生きているか、が子どもたちにもとても大きく影響するんではないかと思ったんです。
学生や子供が変わるよりも大人がまずは変わらなきゃいけない、そして子どもに一番近い存在であるお母さん自身が人生を楽しんでいてほしいと思ったことが今回のイベント開催のきっかけになっています。
子育てのワクワクを集めた“セレクトショップ“のようなイベント
さやかさん:まず、普通のママイベントというと、広い会場に企業ブースが立ち並んでいて、無料のサンプルがもらえる、というイメージが浮かびますが、もっと、来るだけで大人がワクワクできるイベントを作ってみたい!と思いました。
なので今回、企業協賛を募るのではなく、クラウドファンディングで資金を集めさせていただきました。
「渋谷でママ大学」では純粋に私たちがママたちに紹介したいものや人、会社がいろんな形でコンテンツとしてみなさんに体験してもらえるようになっています。
クラウドファンディングという方法をとったのには、もう一つ理由があります。
講演で、いつも学生さんに「自分で考えて、決めて、行動して、挑戦してほしい」って言ってるのに私自身は受験以来何か挑戦しただろうか、偉そうに言える立場だろうか?って帰りの新幹線でいつも思っていたんです。
だから、学生たちにも見える形で何か新しいことに挑戦したいと思いました。
ただ、イベントの企画をするのにどういう知識が必要なのか、どういう人に協力をお願いしたらいいのか分からないまま飛び込んだので、実際挑戦してみると予想以上に大変なことが多かったです。
他のママフェスにお願いして入れてもらって、このイベントが他とどう違うかをプレゼンしながら500人くらいのママたちにチラシを配ったり。
思いを伝える、人の心を動かす、ということの難しさを痛感しています。