苦行を楽しみに変えるための工程8つ 

【1】まずは風呂上がりに好物の牛乳を与えてムスコの満腹中枢を満たします。

【2】大好きな幼児向けアニメや電車の動画を流して興味をそらします。

【3】そのままゆっくりとお膝に座らせて後ろから優しく抱きしめて歯ブラシをムスコに見せます。
すると『あのイヤなヤツだ!』とムスコは逃げ出そうとしますが、ここで風呂あがりの旦那も参戦!

【4】ムスコが喜ぶ保育園の遊び歌や、くすぐり攻撃、お腹をブーブー吹いて、変顔でいないないばぁ!
楽しいエンタメの洪水でムスコをご機嫌にします。

【5】落ち着いてるうちに、歯ブラシを持たせて『口に咥えるおもちゃ』というような感じで遊ばせます。
ここでブン投げられたり、機嫌が悪くなったら【4】に戻る。

【6】ある程度ブラシ部分を噛んだり舐めたりしたら『仕上げはおか~あさ~んっ♪ぐりぐりっ、シャカシャカっ、上の歯、下の歯、前歯っ、奥歯っ♪』と歌で歯磨きをアピールしつつ、旦那に再度ムスコのご機嫌をとってもらってるうちに仕上げ磨きを手早く済ませます。

【7】無事に済んだら拍手喝采スタンディングオーベーション並みのテンションで
「きんちゃん歯磨き上手だったねぇ~!よく頑張ったね偉いねぇ~~!!」と全力で褒めたたえます。

【8】最後にグチュグチュぺッが出来ないのでお茶を飲ませて完了!

…とまあ書いてるだけでも『なんで歯磨きひとつにこんなに工程ふまなきゃならんのじゃー!!』と
嫌気がさしてくるのですが…

それでもサボらないで1ヵ月、2ヵ月と回を重ねるごとに、歯ブラシにも慣れてきて
羽交い絞めギャン泣き歯磨きタイムは段々と少なくなっていきました。

ムスコも最初こそ『なにこのケバケバしたおもちゃ!味もしないし気持ち悪い!』と感じていた歯ブラシを、
『なんか毎日ガジガジしなくちゃいけなくて面倒くさいけど、まあ面白いしイイか~』くらいに
受け入れてくれたのでは…!?と感じています。

実際、ムスコが2歳になったここ最近では、
「きんちゃ~ん、歯磨きするよ~~!」と歯ブラシをヒラヒラ見せると、
ダッシュで駆け寄り自分から口に含んで少しづつ左右に動かせるくらいにまで成長しました。
なんと、この間ノンタンの動画しかかかってません。
もう2人掛かりではなく、1人で大丈夫です。なんならムスコ1人でイスに座ってても磨けます。

うおおおぉっ、俺たちの長きに渡る歯ブラシ戦争は今ここに終幕をむかえたりぃぃいいい!!!

約、1年弱でしょうか…『歯磨きイヤイヤ期』には本当に色んな苦労がありましたが、
…もうコレからはきっとムスコが歯磨きじょうずになっていく様を眺めていればいいのね…
楽しみだわぁ~~ウフフフフ!

――そんなある日、ママ友ランチ会で偶然にも歯の話が出たんです。

ママA「Chaccoさん、2歳半の歯科検診いく?
アタシ今月開催のに予約したら満員でキャンセル待ちだよー」

ママB「ウチはソレに行ってくるけど虫歯予防にフッ素のジェルを塗るんだって。
それで子どもはみんなギャン泣きするみたい(笑)」

ママC「でもウチもそろそろフッ素入り歯磨き粉とか家でも使っていこうかな~」

ワタシ「歯科検診…フッ素…ギャン泣き…歯磨き粉を家で…わぁぁぁぁぁ、大変そうっ…!」

そう!俺たちの歯磨き戦争は始まったばっかりだったんです…!

この先も、『歯磨き粉イヤイヤ期』『歯医者さんイヤイヤ期』などが待ち構えているハズなので
気を引き締めて『虫歯建設株式会社』に負けないようムスコと共に頑張ります!!

 

つづく

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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