「本当に先生が悪い」のはどんなときか
「計算を少し間違えただけで怒る」ような先生の場合、子どもは一生懸命に取り組んでいるのにそれを無視している、自分の満足に子どもが合わせるのが当然と考えている可能性があります。
そうなると、「教えを受ける側」である子どもは勉強に前向きな意識を持てないだけでなく、先生への苦手意識も消えません。
「できないことを責めるだけの先生」は、相性を超えて「悪い」といえるのではないでしょうか。
反対に、信頼できる先生というのは、「できないことを放置しない」視点があると筆者は感じます。
実際にあったケースでは、
「もう少し一緒に勉強したいので、月・水・金の放課後に30分ほど残ってもらってもいいですか?」
など、子どもの状態を考えた提案をしてくれます。
子どもにしっかり寄り添う姿勢のある先生は、一方的に怒るだけではないのですね。
それでも、こんな先生ばかりではないし、親自身が接してみて「この人はちょっと」と思う先生がいることも事実。
こんなとき、上手に付き合っていくためにはどうすればいいのでしょうか。
世のママたちに聞いた対処法をご紹介します。
相性の悪い先生とは、「置ける距離」を明確にする
「子どもの担任の先生は、勉強のできる子ばかりを褒めて、授業についていけないうちの子には何となく突き放すような態度を取ります。
子どもが学校に行くのを嫌がるときは、ひたすら
『あなたは一生懸命にやっているんでしょう?それでいいからね、間違ってないからね』
と励まして送り出しています。
帰宅してから一緒に復習したり、ほかに自信の持てる教科を見つけたりすることも心がけています」(女性/37歳/自営業)
「嫌いな先生ってどうしてもいると思うのですが、わが家の場合は『自分が正しいと思うなら気にするな』とはっきり言いますね。
もちろん先生の言うことは大切だけど、先生がおかしいときもあるし、何でも受け止めるだけじゃ子どもが潰れます。
子ども自身がきちんとやっていることが前提ですが、堂々と胸を張ってほしいですね」(男性/40歳/配送)
「私も学生時代は苦手な先生がいましたが、八つ当たりみたいな注意は適当に聞き流していました。
先生であっても無理をしてまで仲良くしないといけないルールはないし、明らかに先生が間違っているなら、距離を置いてもいいと思います。うちの子にもそう伝えていますね」(女性/34歳/セールス)
上記の言葉は、実際に子どもと相性の悪い先生がいるというご家庭から聞いたものです。
共通しているのは「距離を置いてもいい」と、自分を曲げてまで合わせる必要はないことを伝えている点。
子どもにとっては、今の自分を親が認めてくれる姿こそ、最大の勇気になりますよね。
苦手な人でもその場に身を置くしかないときは、自分で受け取り方をコントロールする力を持つのが、前向きな関わり方です。
「教えを受ける側」であっても、そのなかで置ける距離を明確にしていれば、過剰なストレスはかかりません。
そして、自分の言動にしっかり責任を持つ姿勢が自信につながります。
「相性の悪い先生」はどうしてもいる前提を忘れずに、上手に付き合っていくならみずからが変わることで、健全な精神を育てられると感じます。
相性の悪い先生がいると、子ども自身がのびのびと振る舞えずに窮屈な時間ばかり過ごすことになります。
「苦手な人がいるのは仕方ない」と割り切るためには、何より自分を正しく認めてあげることが欠かせません。
その努力こそ、親はしっかりと受け止めたいですね。