買い物って毎日しませんか。スーパーでもコンビニでも、それから自動販売機で飲み物を買うのも買い物です。
子どもも幼児教室に通って机上でせっせとプリント学習することだけが算数学習ではなく、日常の買い物体験で算数力を付けられます。
『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子が“子どもを算数好きにする買い物体験”の方法についてご紹介します。
算数嫌いは遺伝なのか
ママ自身が算数が苦手だと「わが子には私のような苦労はさせたくない。だから、幼いうちから算数力をつけてやりたい」とつい思ってしまいますよね。
また「我が家は理系でなく文系だから」と遺伝のせいにしたくなる人もいるようです。けれども生まれつき算数に強い子、弱い子がいるのでしょうか。そうではなく、生まれた後の環境的要因が大きいのです。
更に困ったことに、小学校入学後、算数という教科は好き嫌いがはっきり出る教科なんです。嫌いだから益々勉強しなくなり悪循環、結果、成績差もはっきりでる教科なのです。
国語は日本語です。生まれたときから母国語として触れているのですから馴染みがあります。これに対して算数は、幼児期に一切数に触れる体験がない子もいます。この状態で小学校に入学して苦手意識が出てしまうのは、ある意味仕方のないことかもしれませんね。
算数力は“先行体験”が大切
小学校入学前の幼児に算数の力を付けようといきなりプリントを与えても、残念ながら算数の力が付くわけではありません。
算数力は「実体験をどれだけ積んでいるか」がポイントです。これを“先行体験”と言います。
こんな体験をさせましょう。
商店街で買い物
スーパーでは店員さんがレジで計算してくれます。しかし、これではお金の体験が身近にはなりません。
週末などちょっと時間に余裕があるとき、商店街まで足を延ばしてみましょう。“お肉を買うのも大根を買うのも、その都度お金を出し商品を受け取る”これを子どもにやらせてみましょう。
コンビニでも飴を買うのに110円だったら200円出して、お釣りを受け取る体験は大きな数や引き算の実体験となります。
自販機や駅の券売機
小学校2年生の単元で「120は10の固まりが何個あるでしょう」という問題があるのですが、お金を触っている子は「12個」とすぐにわかるようです。でも、経験のない子は苦戦します。
普段、商店街で買い物はさせられなくても、自動販売機で飲み物を買うときや、電車を使って外出するときも電子マネーでさっさと終わらせるのではなく、子どもに硬貨を触らせましょう。
例えば150円のウーロン茶を買うとき10円玉を15枚入れたり、100円玉と50円玉を使って買わせたり。切符はママの分を「○○駅まで地下鉄で210円」と投入口に硬貨を入れさせましょう。
おうちでレストランごっこ
物騒な今の時代、誘拐とか交通事故もあるので、まさか子ども一人でお買い物なんかさせられないですよね。
そこで、食べ物の形をしたおもしろ消しゴムや実際のお金を使って、買い物ごっこをしてみませんか。
子ども銀行などのおもちゃのお金でも良いのですが、臨場感を持って学習させるには実物の方がベターです。しっかり洗っておけば不潔ではありませんよ。