さよたんていのおなやみ相談室

気になっていることや、悩んでいることを誰かに相談したい……そんなときに、相談依頼をすると気まぐれで解決してくれるインスタグラムの人気アカウントがあります。その名も「さよふしぎたんていしゃ」。

可愛らしいネーミングの探偵社ですが、なんと関西在住、11歳の現役小学生「さよたんてい」が依頼を解決してくれるんです!

子育てや恋愛、人間関係などの大人っぽいお悩みにも、具体的かつハッとさせられる回答をしたかと思えば、「痩せたいです」という相談には「痩せてください」とストレートに回答することもあり、「本当に小学生なの!?」と思うようなユニークな依頼解決が話題を呼んで、このたび書籍化。

今までの依頼解決を厳選してまとめた「さよたんていの おなやみ相談室」が発売されました。

そこで、「さよふしぎたんていしゃ」設立のきっかけや、さよたんていの素顔、そして依頼解決の裏側など……気になることを、さよたんていのお母さんにインタビューしました!

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  • 【さよたんていのおなやみ相談室】大人の凝り固まった視点を変えてくれるような回答が魅力!
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  • 【さよたんていのおなやみ相談室】思わずドキッとしてしまうような回答も!
  • 【さよたんていのおなやみ相談室】目次。家族や人間関係、恋愛など、悩みの項目が分かれていて読みやすい

11歳の小学生探偵が依頼を解決!「さよふしぎたんていしゃ」とは

【さよたんていのおなやみ相談室】大人の凝り固まった視点を変えてくれるような回答が魅力!

――まず、さよさんが探偵を始めたきっかけから教えてください。

さよたんていの母:ある日、「さよふしぎたんていしゃ どんなおなやみもかいけつされます」という張り紙を部屋に貼り出して、急に始めたんです。「おしりたんてい」の本を読んで、探偵って楽しそうと思ったみたいで(笑)。

すごく好きで憧れて、真似して自分も「さよたんてい」って名乗り始めたんだと思います。

――そうだったんですね。最初の頃はどういう依頼がありましたか?

さよたんていの母:最初は私しか依頼主がいなかったので、「今日の晩ご飯の献立は何がいいですか」とか「週末はどこに遊びに行きますか」とか、世間話みたいなことを紙に書いて本人に渡していました。

それに答えを書いて返してくるっていう、母子の往復書簡みたいな感じで。

毎日のように「何か依頼ない?」と聞かれていましたが、そんなにポンポン思いつかないじゃないですか。それで寝る前に「あー今日も依頼こなかった、つまんない!」なんて言われるんです。

正直めんどくさいなと思っていたんですが(笑)、それをたまたま友人に世間話で話したら、面白がってくれて、周囲に聞いて依頼をいくっか集めてくれたんです。

メールで来た依頼を紙に書いて本人に渡して、本人が書いた回答を戻したら、その回答内容が面白かったみたいで。その友人は雑貨屋さんをやっているんですけど、「お店に来るお客さんに依頼を募ってもいいかも」って。

――そのあとにインスタグラムを開設したんですか?

さよたんていの母:そうです。個人的なインスタに、遊びの一環でこういうことをやっています、と書いていたんですが、「面白いからちゃんとした専用のアカウントを作ってみたら」と言われて。

そのときすでに何十件か解決した依頼があったので、なら作ってみようかなと。

――そうして書籍化に至るほどの人気アカウントに成長したわけですね。さよさんは、ひとつの依頼に対してどのくらい時間をかけて解決しているんでしょうか。

さよたんていの母:最近は特に時間がかかりますね。8歳から始めたんですけど、当初は渡したその場で書き始めるような感じだったんです。

依頼者も私が知っている人だったので、「こういう人なんだよ」という部分もお話できるし、気軽に答えられたのかなと。

今はまったく知らない方からの依頼をいただくので、難しいんだと思います。私のほうで先に依頼内容を全部見て、これくらいなら回答できるかもしれないというものを印刷して本人に渡して、その中で本人が選んで答えています。

【さよたんていのおなやみ相談室】さよたんていの母が一番印象的だったという、回答

――悩みを解決するにあたって、何か自分なりに調べたりなどしているんでしょうか。

さよたんていの母:特に何か調べるということはないのですが、依頼の内容がハードルの高いものになってきて、大人っぽい依頼が多くなってきたので、依頼文の中に難しい言葉が多くなってきたんですね。

漢字が読めないとか、単語の意味がわからないときは、「これ何?」と聞かれることはあります。ただ、なるべく先入観を持たせる方向に行かないような感じで説明できるように心がけています。

以前いただいた悩みで「ダンディー」だったか、子供が聞いてもピンとこないような単語があって、私もうまく説明ができなくて。

調べたときに、ヒゲをはやした男性がワイングラスを持っているようなイラストがあったんです。「こんな感じ」とそれを見せたら、依頼書の左上のイラストを描くところに、見たまま描いていたことがあって、やっぱり先入観を持たせたらいけないんだなと思ったので。

――調査報告書のイラストと言えば、回答と一緒にここのイラストと一言をチェックするのも楽しみだったりします。

さよたんていの母:もともと遊びで私がエクセルでフォーマットを作ったときに、本来であれば探偵事務所の社判みたいなものや「解決済み」のスタンプを押すと面白いかなと思っていたんですね。

ただ、実際にはそういうものはなかったので、「何かイラストを描いてみたら」と言ったんです。本人がネコ好きなので、一番最初に描いたのがネコでした。

コメントも、最初は「ありがとニャー」とか感謝の気持ちだったんですけど、そこにもう一言二言入れるようになって、文字とイラストで完結するような形になりました。

――書籍では「逆依頼」としてさよさんからお母様や周囲の大人たちに相談依頼がありましたが、自分が探偵になってみていかがでしたか?

さよたんていの母:けっこう難しかったですね。大人だったら、こういう回答をしたらこう思われるかなとか、こういう回答をしたほうが世間的にいいのかなとか、余計なことを考えてしまいがちなんだなと、回答する側になって思いました。

娘からの依頼なので日和って回答しなきゃということはなかったですけど(笑)、これが本当に知らない人からの依頼だったら、もっと悩んでしまうかなって。悩み相談は本当に大変だと思いました。