さよたんていはどんな子ども?たんてい以外の素顔
――さよたんてい小学生とは思えない視点からの回答をしますが、昔から探偵の片りんはありましたか?
さよたんていの母:なかったと思います。そんな理屈っぽい子でもないし、どちらかというと恥ずかしがり屋で内弁慶。家の中では天真爛漫なんですけど、あまり外ではそういうところを見せません。
初めて行くところが苦手で、なじむのに時間がかかるタイプです。
滑り台を滑りたいんだけど怖いから先に私に滑らせるとか、なんでも「先にお母さんやって」という感じの子どもだったので……探偵業を自分でやろうと決めて始めるとか、ああいう回答をするということは意外でした。
ただ、なんでも紙に書いて貼り出すことは好きだったんです。何か知らないけど表彰状を作ってもらったりとか(笑)。なので、探偵を始めて依頼を募集するときに紙に書いて貼り出したところが、らしいなと思います。
――書籍のあとがきでは、ひとり遊びの中に空想のお友達が登場すると書いてありましたね。想像力が豊かな子だったんでしょうか?
さよたんていの母:そうですね。わりと小さい頃から絵本の読み聞かせをするとそのまま耳で覚えてすぐ口で言えるようなタイプで、絵本が好きな子どもでした。
――そういうところが、依頼者の気持ちにスッと入り込めるようなところにつながるのかもしれませんね。
さよたんていの母:4歳くらいで、ひらがながまだ読めないときに電車に乗っていてびっくりしたことがあります。
出かけると、必ず行き先を聞かれるんですね。そのときも電車に乗る前にどこで降りるのか聞かれて、言ってもわからないだろうと思いつつ「〇〇駅だよ」と答えたんです。
そして会話しながら電車に乗っていたら、降りる駅の一個手前で「次だね」って急に言われて。
「なんでわかったの」と聞いたら、会話しながらアナウンスをずっと聞いていたみたいで、心の中でひと駅ずつ数えていたっていうんです。会話しながら違う別のことを想像したり考えたりできる子なんだなというのはそのときも思いましたね。
――そんなさよさんを育てる上で、心がけてきたことはありますか?
さよたんていの母:自分の考えを自分でちゃんと言ってもらうようにしています。何かあったときに、先に「お母さんこうしたいんだけど」ではなくて、「どう思う?」と聞くようにしていますね。なるべく娘の意思を尊重できるようにはしています。
――素敵ですね。
さよたんていの母:聞かないと言わないタイプだからというのもあります。優しいので、遠慮をしちゃうというか「(話さなくても)まあいいか」となっちゃうので、なるべく聞くようにしています。
――今、何か言いたそうだな~というのはわかるんですか?
さよたんていの母:そういうのも出さないです。とても穏やかな子で、かんしゃくを起こしたりとか、ワガママを言ったりとかもなくて。私が怒ったことが記憶のなかでも1回か2回くらいしかないくらい。ただ、こちらが聞けばすごくしゃべります。
――さよさんは、探偵業をしているとき以外は、何をして遊んでいるんでしょうか。
さよたんていの母:ふだんはゲームをしたり、私が昔使っていたスマホの撮影機能を使って動画を撮ったりしています。
YouTubeのマネをして自分のチャンネルを撮影して、どこかに公開するわけでもなく、気が済んだら消して新しいのを作って、というのを繰り返しています。ポケモンが大好きで、「ポケるんTV」というチャンネルは毎日見ています(笑)。
――そんなふうにいろいろと楽しいこともある中で、探偵業をこれだけ続けてこれたのは、どういう理由だと思いますか?
さよたんていの母:友達と遊びに行ったり、そういう時間も大切にしてあげたいので、「やりなさい」とは言わないですし、1日1個は依頼を解決するなどのルールを決めてもいないんですね。イヤになったらやめてもいいよ、という感じにしているので。
ノルマを決めていないぶん時間がかかってしまうので依頼者をお待たせはしてしまうんですが、あまりルールをがちがちに決めずに自分のペースでできるときにやってきたから、今も続けられているんだと思います。