電撃婚に潜む「4つの罠」

安藤さんのケースを教訓に「電撃婚の罠」をあげてみましょう。

1:恋愛感情が盛り上がったまま結婚したため、結婚後のビジョン(生活、暮らし、経済的なこと、役割分担、子供の有無と子育て)の話し合いがなかった。

2:金銭的な感覚の相違をすり合わせられなかった。

3:年齢や収入など、夫婦の格差についての議論の場を持たなかった

4:結婚後に環境がからりと変わった相手への配慮に乏しかった。

またかつて電撃婚をした3人の女性(29歳、33歳、36歳)に話しを聞くと、それぞれ「電撃婚の罠」を次のように語ってくれました。

SNSで知り合って、3か月で婚約、7か月でSEの彼と結婚しました。愛されているという自惚れから、私のことを全部許してくれると勘違いして、婚約後に彼に相談せずに、会社を退職して、バイトしながら整体の資格を取得しようとしました。すると夫は落胆。理由は『ハイレベルな企業に転職するために結婚後に猛勉強の予定だったが、共稼ぎできない状況では今の職場で残業して頑張るしかない』と、転職を絶たれたといいます。『チャンスとやる気と運がよければ大丈夫よ』と夫を慰めましたが、相談せずに仕事を辞めたことを今でも根に持っているみたい」(29歳/アルバイト)

「友達の紹介で付き合って3か月後に電撃婚。披露宴で専門家の彼との結婚が『格差婚』であることがわかって、ショックでした。有名なシェフの料理教室に通い、習った料理を家で再現しましたが、彼の帰宅が遅いため、料理をあまり食べてくれないのが悲しかった。そこで深夜の2時ぐらいまでお喋りをしようとしましたが、途中で彼が眠いと言って、寝てしまい、ますます寂しくて…別の居場所を作るために、仕事を再開することにしました」(33歳/派遣)

32歳の時に電撃婚しました。3つ上の夫も私も、結婚願望があったので知り合って半年でゴールイン。夫は優しくて、結婚してから3年ぐらいはラブラブ。ところが36歳で出産すると、夫は仕事が忙しいという理由育児は私に任せっきりで、とうとう私が会社を辞めることになりました。ワンオペ育児はとても大変なので、実家に帰ることが増えてしまって……。結婚前に子育てについて夫と話し合っておけばよかったと後悔しています」(36歳/主婦)

一方、電撃婚をしたものの、特に問題なくずっとラブラブという会社員の女性(33歳)は、成功の秘訣を次のように語ります。

「3年前に知り合ってすぐに『彼といると自然体でいられる』と感じました。交際後は彼が私のアパートに週2~3ぐらいの割合でやってきて、いろんなことを話したような気がします。1年も経たないうちに結婚したのも、自然な流れ。今でも彼から手をぎゅっと握られるなどラブラブです。妊活も結婚前に話していました」

やはり、結婚前に彼と頻繁に遭って、コミュニケーションをとりながら、将来のことを自然に話せるような関係がベストですね。

「電撃婚カップル」が結婚前にやるべきこと

これらの事例から電撃婚カップルが結婚前にやるべきことを3つ挙げてみます。

1:結婚後のビジョン(生活、暮らし、経済的なこと、出産の時期や子育てにおける役割分担、出産後の仕事など)を話し合うこと。

2:自分の人生=パートナーの人生という認識と責任感を持ち、互いの仕事(退職や転職、起業)のことなども話し合っておく。

3:ラブラブを持続させるのは、相手に対する「思いやり」です。

「電撃婚」を成功させるとっておきの“秘訣”

最後に電撃婚を成功させるとっておきの“秘訣”を教えましょう。

電撃婚カップルは短期間で相手の過去を知ることが大事です。そこで、これまで付き合った女性の名前を聞いておきましょう。

付き合いが3年以上など長い交際の末に結婚したカップルは、時間をかけて元カノのことも聞き出せますね。

一方、電撃婚の場合は、元カレの名前を知っておくことによって、女の子を出産した場合に名前がダブることを防止できます。ぜひ聞き出してくださいね!

コラムニスト、小説家、ルポライター。2万人以上のワーキングウーマンを取材し、恋愛、婚活、結婚をテーマに執筆。「英語でリッチ!」で第12回ライターズネットワーク大賞受賞。07年10万人に一人の難病を後遺症なしに完治。「生きるを伝える」(テレビ東京)に出演。
ブログ:「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」