感情は知らず知らず、右脳から刷り込まれる

人間の喜怒哀楽などの感情の表出には、「感情系」の脳番地が関わっています。そして、特に右脳では「他人の感情」、左脳は「自分の感情」を読み取る働きをしているそうです。

我慢ができない、お友達に手が出てしまうといった子は、脳的にみて他人の影響を受けやすかったり、右脳の感情系は発達していても左脳の感情系が発達していないため、自分を省みたり、自分がどういう立場なのかを理解することができない。それゆえ、自分の行為を悪いことだと思っていない場合が多いそうです。

また、うちの子は「何でもすぐ否定しがち」というお子さんもいるかもしれませんが、子どもはもともとネガティブな感情を持っているわけではないそう。周りからネガティブな言葉を受けるうちに、ネガティブな感情も発達してくるのだといいます。

加藤「右脳の感情系からは、いちばん身近な家族から受ける他人の感情が入ります。脳自体がセンサーのようになっていて、右脳にいつのまにか刷り込まれる。左脳はそれを受けて、言語能力の発達にともなって『嫌』というような言葉に変換してその気持ちを理解する。

つまり否定的な要素、『そんなことやっても無駄だ』と言われて育つ場合、そういった感情の影響をしばらく受けることになります。もちろん褒めたりするのも大事ですが、全然関係なんてないだろうと思えるようなことも、じつは子どもに影響を与えているのです。

私自身は、ネガティブな感情を一切持っていないんですね。それはなぜかを分析してみると、小さい頃、母親が愚痴をこぼしたり、他の人を非難したり、「あ~大変だわ~」とか、そういう意味合いの言葉を聞いたことがない。そんな環境に育ったので、いろいろ悩むことはあっても、ネガティブにはならないのだろうと思います」

まとめ

今回のお話から、子どもの脳タイプが個性や性格を作り出していること、また子どもの感情と環境、脳の成長には大きな関連があることがわかりました。

けれどもそれは逆に、子どもの得意な部分を優先したり、子どもとの関わり方を見直すことで、いい方向に伸ばせる可能性があるということです。

脳の構造や特性を知って、お子さんの健やかな脳の成長を促してあげたいですね。

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。