子連れ再婚に踏み切った独身男性 Aさん(28)

「彼女と出会ったのは、会社でした。パートで働いていて知り合ったんですが、17時には急いで帰るのでお子さんがいるのだろうなとは思っていました。

彼女がシングルマザーだと知ったのは、たまたま本人から聞かされたためでした。お子さんが人なつっこくて、僕にもすぐになついてくれました。妻と同時に子どもにも恋した感じでしたね。

交際をスタートすることを持ちかけたのは、僕からです。彼女がそういう立場でしたから、結婚を覚悟しないと交際はできないと思っていました。

両親の反対は想定外でしたが、子どもがなついていることや、新しく子どもをもうけてもうまくやっていけそうだということから、妻の両親にも賛成してもらって結婚にたどり着きました」

--不躾ですが、お子さんは血のつながりがないわけですよね? 生活の中で抵抗を感じることはありますか?

「まったくないですね。いわゆる“いい子”ではなくて、僕に抵抗して怒ったりすることもあります。その度に、冷静に父親として行動できているような気がしますね。

むしろ、妻が僕に遠慮しているようなところがあって、「お父さんに養ってもらっているんだから」というようなことを言った時は、子どもによくないからやめてくれというようなことを言いました。

まとまりがない話になっちゃいましたけど、妻とも子どもとも相性がよくて、一緒に生きていこうと思えるようになったのが再婚につながったのかなと思っています」

同じく子連れ再婚に踏み切った 独身男性Bさん(35)

「僕は、その当時、いわゆる『彼女なし』という状態で、お付き合いをするなら『結婚を前提に』という考えでした。

結婚相談所とかにも登録したりしていたんですが、彼女とあったのは、SNSでした。

バツイチのシングルマザーだけど、子供と水族館に行ってくれる人募集という彼女の書き込みがあったんですね。

それで、軽いノリで参加するコメントを書き込みました。それが縁になってつきあい始めました」

--お子さんがいらっしゃることをご存じだったわけですよね。抵抗はなかったですか?

「いまから考えると変な話なんですが、あまり子どものことは意識してなかったんですね。彼女に惚れたというのが一番でした。

子どもは、彼女の両親がよく預かって面倒を見てくれていたので、あまり抵抗感を感じなかったんです。

人見知りをする子で、最初のうちは厳しいなあと思っていたんですが、交際が進むうちに慣れてきて、『パパ』とか呼んでくれるようになってくれて、それで結婚を決めました」

こうしてみると、子連れ再婚は子どもとの二人三脚のようですね。一方、子供とはうまくいっていても、周囲の反対で結婚を断念した方もいます。そちらの話も聞いてみましょう。

妻の両親に反対されて結婚を断念した独身男性 Cさん(31)

「僕が彼女と出会ったのは、SNSでした。彼女に子どもがいるのは知っていましたし、そもそも結婚してくれる人を探していたこともあって、彼女に夢中になったというのが正直なところです。

最初のデートは、横浜の八景島シーパラダイスで子どもも連れて出かけました。初対面なのに、すごくなついてくれて可愛かったですね。その後、デートを重ねて交際1年目に結婚を申し込みました。

両親の反対は想定内でしたが、妻の両親から意外にも反対されたんですね。何度も説得しましたがダメでした。

「もう少しお付き合いしてから決められては?」ということを言われましたが、今から考えると僕の結婚願望を押し通そうとするのを見抜かれていたのかもしれませんね。

結局、彼女も自分の両親の説得が得られないことから消極的になって交際自体がフェードアウトしてしまいました」

ご自分の両親から反対されるのはわかりますが、奥様のご両親から反対されるというのは意外なようにも感じますね。

ご両親には、将来を見据えて結婚しようとする意思が見えなかったのかもしれません。

3つのケースを紹介させていただきましたが、意外にも相当数の男性は、子連れ再婚は抵抗がないようです。

再婚の際は、お子さんが新しいお父さんになついてくれるかが鍵になりそうですが、それだけに限らず両親や周囲の人の反対もあるようなので、真摯に説得していくのが大事なようですね。

福岡県北九州市生まれ 93年から週刊誌・書籍のライターとして活動。救急医療の現場取材・社会保障問題といった社会派な記事から料理、食べ歩き、映画論評まで執筆ジャンルは様々。児童文学作品を上梓する傍ら、フードコーディネーターとしてメニュー開発なども行う。近著に「さぼちゃんのおぼうし」「うちの職場は隠れブラックかも」。ブログ