當歸湯(ダンゴエタン)

ぷるぷるの豚足にはコラーゲンがたっぷり。当帰のスープは風味もまろやかで飲みやすい。これで70元は破格

豚足は豚足でも、さらに身体にいい豚足料理がある。冬になると特に人気が出る当帰という生薬のスープだ。

当帰は木の根っこのような形をしており、これを煮込むと漢方風のスープとなる。鴨肉やラム肉の煮込みにもよく使われるが、豚足は少し珍しい。

台北の下町・艋舺(万華)の廣州街と康定路の十字路に出る屋台群のひとつで食べることができる。肌寒いなか、屋台で食べる当帰の豚足スープは格別だ。豚足はトロトロに柔らかく煮込んであり、コラーゲンがたっぷり。

当帰は冷え性、神経痛、などのほか、生理痛解消や美肌効果なども期待される生薬。女性でも、当帰屋台で背中を丸めてスープをすするおじさんたちに混じってぜひ試してほしい。

當歸豬腳排骨(ダンゴエズージャオパイグー)
台北市康定路288號前 TEL:0913-226-552
15:00~21:00頃 不定休

鹽水雞(イエンスエジー)

士林夜市『阿姨塩水雞』のみずみずしい塩漬けチキンは何にも勝るビールのおつまみ。骨から肉を歯でそぎ落とすように食べるのが妙味

台湾には定番のセルフ屋台がいくつかある。

代表的なのは滷味(豚肉の醤油煮込み)、鹽酥雞(鶏肉の唐揚げ)、そして、鹽水雞(鶏肉の塩漬け)の3種類だ。

台湾全土の夜市や街角にあり、通常は屋台で自分の好きな具材を選んでカゴに入れ、店主に渡して仕上げてもらうスタイル。イートインではなく、テイクアウトの店が多い。

なかでも鶏肉の塩漬けはほどよい酸味のある大人向けのテイストで、ビールのつまみとしてこれ以上のものはないくらいだ。

士林夜市の近くに長年暮らしているグルメの台湾人カメラマンが絶賛するのが『阿姨塩水雞』。塩加減が絶妙で、鶏肉のひとかけらが大きい。

さらにキュウリ、アスパラ、人参といったチキン以外のネタも豊富なので、野菜が不足しがちな外食ではありがたい。屋台の前には簡易テーブルがあるので、コンビニで買ってきたビールを飲むこともできる。

阿姨塩水雞(アーイーイェンスエジー)
台北市基河路100號 TEL:0978-794-708
18:30~00:00頃 不定休

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。