はい、正直辛い選択でした。これは仕方のないことなんですけど、習った時にはできていたけど、気付いたら自分なりのやり方になっちゃったりすることって、誰にでもありますよね。自分だって今年1月にSNH48のメンバーと『RIVER』(※AKB48 14thシングル=2009年)のフリとかを練習した時に「ココってこうだったのか!」なーんて思ったこと、いくつもありましたし。まして彼女たちはオーディションに受かってからダンスを始めた子ばっかりで、4カ月前に私がAKB48のダンスの先生と一緒にレッスンをつけた時にはダンス歴2カ月程度、今だってやっと半年くらいです。私やダンスの先生に教わったことを完全に吸収しきれないまま4カ月間、自己流というかSNH48流で踊ってきたワケですから。
――それを直すのは、簡単ではない?
ダンスの基礎が身体にしみ込んでいれば、数カ月かけてやってきたことでも「ここは実はこうなんだよ」と注意されれば、比較的すぐ戻すことはできるんです。ダンスって基礎練がすごく大切で、ステップで足を出す方向とか、腕を上に上げた時の手の向きとか、指先までピンと伸ばせているかどうかとか、そんなことで見え方が全然違ってくるし、パフォーマンスの幅も広がって柔軟になる。でもそういう基本的な力が、練習を始めて半年ではまだまだ十分ではないですよね。
――佐江ちゃんのような、キレキレのダンスはまだまだですか……
踊りの表現力とか、難しいんですけどね、私も7年やってやっと自分らしい表現、パフォーマンスを身に付けることができるようになったかなと思っているくらいなので(笑)。SNH48の子たちは、まさにこれからだって思うんですけど。だから帰国する日に、宿題をひとつ出してきました。
――宿題?
SNH48メンバーに伝えたんです。「みんなのパフォーマンスを耳をふさいで見ていたら、どの曲がカワイイ曲で、どの曲が明るい曲で、どの曲がカッコイイ曲なのか、全然分からないよ」って。フリの大きさも全部一緒、表現も全部一緒、だから音なしでみんなを見ていたら、それがどんな踊りなのかまったく分からない。できるだけ基本を押さえることは当然として、そういうことも考えながら、練習するようにしてくださいって。
――うわぁ、それはメンバーにとって重い課題ですね……
そうだと思います。でも……
――でも?
逆に、パフォーマーとして考えると、正反対の悩みもあるんです。
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