4.「新たなる希望」への丁寧な布石
かつてジェダイマスターとして、そしてクローン大戦では将軍として数々の任務をこなし、ヨーダのように賢く、ウィンドゥのように強いオビ=ワン。
その彼が、今は劣悪な精肉工場でアルバイトして、ペットの餌をくすね、満員電車に揺られ風呂もろくに入らず、家とも言えないような洞窟に住み、1人で孤独に食事をして、毎日をただ生き延びているだけ。
ルークの養父オーウェンからも、あの子に関わるなと釘を刺され、生きる希望も目的もありません。
普通なら「これ、どっかでちゃんと救いはあるの…? 」と思ってしまいますが、なんせ我々は、9年後の話である『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を、もう知っているじゃないですか。
遠くから見守る事しかできなかったルークと共に、ついに宇宙へ飛び出し、帝国を倒すために動き出し、アナキンとも決着をつけて、最後はルークを導くために、自ら霊体になる事を選ぶという、最高に熱い結末を。
本作でオビ=ワンの絶望や哀愁、衰えなんかをしっかり見せてくれたからこそ、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』での活躍が、より泣けるんですよね。
「新たなる希望」というサブタイトルも、グッと深みが出るし、真に繋がる正当な続編を観ることが出来て、歓喜の極みです!
5.ユアン・マクレガー本人を含む最高のスタッフ陣
ファンとしてはもう、ユアン・マクレガーがオビ=ワンとして、動いて喋ってるだけでも充分なんです。
帰って来てくれた!感で、もう胸はいっぱい。
まだ10歳の無邪気なルークを見守るオビ=ワン、ルークにアナキンの面影を見てしまうオビ=ワン。
表情や目線1つ1つの演技も凄いし、そこに立っているだけで、もう泣けます。
完全に解釈一致!
オビ=ワンの佇まいや、考えこむときの癖なども変わっておらず、アナキンへの感情や、10年間での落ちぶれ方なんかも、完全にファンと解釈一致してるんです。
ユアン・マクレガー自身が製作総指揮として、きちんと制作に関わっているので、オビ=ワンというキャラクターに対する造詣の深さが、非じゃないんですよね。
さらに、テーマ曲はジョン・ウィリアムズ作曲、エンドロールの形式も旧シリーズと同じ。
スピンオフだった『マンダロリアン』や『ボバ・フェット』と差別化されており、真に続編が帰ってきた感が、本当に凄い。
プリクエルとオリジナルを丁寧に繋ぐ、最高の「エピソード3.5」を、リアルタイムで追えるなんて、こんなに幸せなことはありません。
中学生だったあの時の私に、教えてあげたい…泣
古のファンを熱狂させるドラマ『オビ=ワン・ケノービ』
本作がきっかけで、未履修だった『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』や『スター・ウォーズ 反乱者たち』も観始め、『スター・ウォーズ』サーガに対する造詣を、さらに深める事が出来ました。
かつて一緒に『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』を観に行った友人とも、本作を観ながら毎週連絡を取り合い、エモさ爆発で盛り上がっています。
本作で充分にエンジンをかけ、『キャシアン・アンドー』や『アソーカ』など、これからどんどん配信される『スター・ウォーズ』コンテンツに向けて、突っ走れる喜びといったら。
何度でも言いますが、特にプリクエル世代のファンなら、絶対見逃せない作品です!!
『オビ=ワン・ケノービ』
ディズニープラスにて独占配信中
第5話は2022年6月15日(水)16:00〜配信開始