炭水化物は減らしたほうがいいのか、それとも食べていいのか…ダイエットをめぐるさまざまな情報に触れれば触れるほど、混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
どんな食品も、単純に良い・悪いとは言い切れないものがあり、食べていけないものはありません。ただし、注意したい食べ方のポイントはたしかにあり、その基本さえおさえていれば、食べているのに太りにくい、そんな嬉しい体になっていくようです。では、どんな食べ方が推奨されるのでしょうか?
『最新!太らない食べ方』『ズルイ食べ方』の著者であり、一般社団法人臨床栄養実践協会理事長などをつとめる、管理栄養士の足立香代子さんにお聞きしました。
炭水化物を減らそうとするより、「おかずファースト」の意識で
炭水化物=太る。そんなイメージから、ごはんを抜いたり、極端に糖質を制限している方もいるかもしれません。
けれども、長期的な糖質制限による身体への影響はまだ明確にはなっていないことから、制限する食べ方よりも、「どのように食べるか」が重要視されるようになってきています。
足立香代子さん(以下、足立)「ダイエット中でも炭水化物は食べてOKです。食べる順番だけ考えれば大丈夫なのです。果物がいけない、お菓子がいけない、ごはんがいけない…など『○○がいけない』と言われると、それがストレスになってしまい、短期では続くけれども長期では続かなくなります。
炭水化物はたしかに、単体で食べると血糖値が急激に上がって急激に下がるため、すぐにお腹がすき、いつも食べていたくなってしまう。
『昼に麺を食べたら、すぐにお腹がすいてまた何か食べたくなる』というのはそういう訳です。オールインワンの丼ものは、その点ではあまりよくありません」
糖質の多い食事で問題になるのは、それだけに偏ってしまうと、食後の血糖値が高くなりすぎてしまい、大量のブドウ糖を処理しきれなくなる→中性脂肪として蓄えられる→太るという結果につながりやすくなることです。
また、血糖値が高くなってから、今度は急激に血糖が下がることでお腹が空く→炭水化物を欲する→食べる、と負のサイクルにはまりやすくなります。
となると、やっぱり炭水化物を減らすべき?…と思ってしまいますが、炭水化物を減らすという意識より、「後から食べる」という発想にすればいいそう。
「『おかずファースト』で食べるとよいのです。海藻やきのこ、色の濃い野菜などをたくさん食べれば繊維がとれます。
そして、タンパク質と油(脂質)がしっかり入ることも非常に大事です。魚や肉をきちんととり、サラダにはオリーブ油やえごま油、ドレッシングをかけ、野菜やきのこは炒めものにしたりする。そういったおかずを先に食べることが大切なのです」
たんぱく質、油、食物繊維は、お腹に入ってから消化・吸収されるまでに時間がかかります。また、それらは血糖値を上げにくいという性質もあるため、腹持ちがよく、お腹が空きにくくなるそうです。
「ごはんを最後に食べるようにすると、ごはんを食べる頃にはもう食べられないというくらいにお腹がいっぱいになっています。炭水化物がいけない、と考えるより、おかずから先に食べるようにすれば、自然と、それほどごはんや麺を食べずにすむでしょう」