「二年付き合った彼氏とは、結婚が理由で別れたと思っています。
プロポーズされたときは本当にうれしかったのですが、最初の違和感は彼の家にご挨拶に伺ったとき。
ご両親に結婚について話したら『いずれ仕事は辞めて家庭に入るのよね?』と尋ねられ、正社員として働いている私は『いえ、好きな仕事なのでずっと続けていくつもりです』と答えたら無言になられてしまい……。
そのときは彼氏が『先のことはまだわからないから』と取り繕ってくれました。
『両親は古い価値観なだけ』『気にしなくていいから』と彼氏が言うのを鵜呑みにしていましたが、結納が済んで入籍の日取りを考えているとき、おかずを持ってきてくれた彼のお母さんから
『女性は家庭を守るのが仕事よ。息子を支えてあげてほしい』
と言われて、彼氏とは共働きでやっていくと決めていること、貯金の計画や子どもにかかえるお金のことなどを改めて話しました。
お母さんは静かに聞いてくれたけど、
『うちは私がずっと専業主婦で家族を守ってきたわ。女性が外で仕事をしても、男の人と同じにはいかないでしょう』
と返されたとき、はっきりと『この家と結婚は無理だな』と思いましたね……。
違和感は私の話をまったく頭に入れていない様子にあって、自分の考えだけが正解と思っているのがよくわかったことです。
彼氏がいないときを狙って来たのだなと思うし、いま私の意思を無視する人たちが、結婚後もあれこれ口出しをするのは目に見えていますよね。
『考えておきます』と言ってお母さんには帰ってもらい、彼氏が帰宅してから正直に気持ちを打ち明け、入籍は中止になりました。
間に挟まれた彼氏はかわいそうだなとは思うけれど、親のことをちゃんとわかっていないし、結婚後に親の味方をされたら私はひとりぼっちです。
そんな不安もあって、彼氏とは申し訳なさからそのまま別れました。後悔はありませんが、後味の悪い終わりでしたね……」(女性/30歳/営業)
結婚すると配偶者の実家とのお付き合いが深くなりますが、入籍前にこんな違和感に気がつけたのは幸運だったのではないでしょうか。
息子がいないとわかっているときに彼女に「直談判」を持ちかけるのも、正常とはちょっと言い難い姿。
自立した人間の生き方を尊重できない親族とは、結婚後も揉めることが想像できますよね。