保険適用の対象となる治療は?

では、今回保険適用の対象となる治療はどういったものでしょうか。

大きく分けて2つ挙げられます。

1:タイミング療法と人工授精(一般不妊治療)

一般不妊治療と言われる、タイミング療法と人工授精が保険適用となります。

タイミング療法とは、妊娠したい女性が基礎体温を記録した上で、さらに超音波検査や血中のホルモン量などから排卵日を予測、排卵期に性交渉を行うことを指導して自然妊娠を促す治療のこと。最も負担の少ない治療法です。

人工授精は、タイミング療法の次の段階で行われる治療で、排卵の時期に合わせて子宮に直接精液を注入することで妊娠をはかります。

2:体外受精や顕微授精など生殖補助医療

一般不妊治療でもなかなか妊娠の兆候が見られないと、次のステップに移ります。それが生殖補助医療と言われる治療です。

体外受精は女性の卵子と男性の精子を採取して、体外で受精させて順調に細胞分裂している胚を子宮内に戻し、妊娠につなげる方法です。

顕微授精とは、体外受精のやり方のひとつで、精子に異常がある場合や射精が困難な場合などに行われます。取り出した卵子に精子を注射針などで直接注入して受精を図る治療法になります。

こういった生殖補助医療については、採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療がすべて保険適用となります。

回数や年齢の制限は?

1:回数の上限は女性の年齢によって変わる

一般不妊治療、生殖補助医療をしても、一度や二度で妊娠に至るケースばかりではありません。何度も治療を行い、なかなか授かれずに治療費ばかりふくらむということもあります。そして、保険適用に関しては回数の上限が設けられています。

保険適用の対象となる回数というのは、体外受精の「胚移植の回数」です。採卵は、特に制限がありません。そして重要なのが、治療開始時点の女性の年齢です。

40歳未満であれば、子ども1人につき最大6回の胚移植までが保険適用に。40歳以上43歳未満では、子ども1人につき最大3回の胚移植までが保険適用となります。

2:女性は43歳未満が対象、事実婚カップルも含む

保険が適用となるのは、女性であれば治療開始時点で43歳未満という上限があります。

男性については特に年齢による制限はなく、事実婚のカップルも対象になっています。