ベテラン保育士に聞く「子どもの年齢別・おすすめの迷子対策」
保育士歴30年で、現在は保育園の園長を務める上野里江さんは、迷子にならないための対策として、こんなアドバイスをくれました。
上野里江さん(以下、上野)「色・柄などがハッキリした服や、目印になるような帽子、リュックを身につけさせるとよいでしょう。そして、その日の子どもの姿を写真に撮っておき、何かあったときに、すぐに見つけられるようにしておくのをおすすめします。
公園やキャンプ場は子どもが多く遊んでいるから大丈夫と油断しやすいので、目を離さないことと、事前の約束をしておくのを忘れずに行いましょう。
最近は、GPS機能付きの迷子防止グッズがあるので、持たせることも選択肢の一つです。何かあったときにママも子どもも焦らず、パニックになりにくくなるでしょう」
そして上野さんは、年齢別の迷子対策として次のことを教えてくれました。
1~2歳
上野「1~2歳の子どもには『言い聞かせる』というのはむずかしいので、手を離さない・目を離さない・子どもを一人にしない、ということをママ、パパが意識することが大切です。
また、もし迷子になっても、子どもは自分の名前を言えないので、洋服のタグなどに名前を書いておいたり、迷子札のようなものをリュックの中に入れておいたりしましょう」
3~4歳
上野「3歳以上の子どもは、約束を守ることができるようになってくるので、出かける前に『ママが見えないところには行かないで。離れるとママに会えなくなってしまうから』と一緒に行動することを約束するとよいです。
『ママが見えない!』となると子どももパニックになり、あわてて走り出すなどして、さらに迷子になってしまうので注意です。手を離すときは、声をかけてアイコンタクトを取り合うことが大事です。
また、出かける前に『知らない人にはついていかない』『迷子になったらお店の人に助けを求める』など約束し、繰り返し伝えていくことが大切です」
5~6歳
上野「5~6歳になると、自分で判断して行動できるようになるからこそ、きちんと話をして、なぜママやパパから離れてはいけないのかを伝えていくことが大事です。
保育園で子どもたちと公園に行くときは、先生が見えないところへは行かない、ひとりで公園から出ない、ということを約束しています。子どもたちは守って遊んでいますよ」
上野さんは、次のようにアドバイスしてくれました。
上野「子どもは好奇心旺盛なので、動きを止めることはむずかしいときもありますが、人がたくさんいるところへ行く前には、きちんと話をして、親子のコミュニケーションをしっかりととって、楽しいおでかけにしていきましょう」
お出かけを控えている家庭は、ぜひ事前の約束と準備をしておきましょう。