【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】西側から見た忠武路2ギル(夜景)。左手の「生」の字が目立っている緑と赤の看板の店がサーモン刺身の人気店「忠武ヨノ」

韓国の今を伝えるコラムの12回目は首都ソウル旧市街の中心部にありながら、下町のような情緒が味わえる忠武路(チュンムロ)駅の南側を歩いてみよう。

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80年代後半とほとんど変わらない雰囲気の忠武路2ギル

明洞駅から地下鉄2号線で東へ1駅行ったところにある忠武路駅エリアは、ソウル旧市街の主な観光地に徒歩で行くことができ、さらに3号線に乗れば、漢江の南側の江南エリアにも15分ほどで行ける便利な場所だ。

忠武路駅8番出口近くの国民銀行の脇道を50メートルほど北上すると、小さな飲食店が連なる通りに出る。ここから西方向に200メートルほど続くのが忠武路2ギルだ。

逆方向から位置を説明すると、日本人の利用が多いホテルPJ(旧・プンジョンホテル)の玄関を背にしたとき、右手に見える赤いゲートから始まる仁峴市場(イニョンシジャン)を抜けたところを横切っている通りである。

【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】西側から見た忠武路2ギル(昼景)

忠武路2ギル周辺は小さな印刷工場街になっている。主にそこで働く人たちが昼食をとったり、退勤後に一杯やったりするところだ。

どちらか言うとおじさん臭いところなので10年ほど前までは若者には見向きもされなかったが、最近のレトロブームで乙支路3街や鍾路3街のように脚光を浴びるようになり、若者も集まるようになってきた。

この通りに高い建物はなく、ほとんどが2階建て。間口2軒ほどの小ぢんまりとした飲食店がびっしり連なっている。

この風景は筆者が記憶する限り、80年代後半からほとんど変わっていない。

ソウル中心部の下町っぽいエリアは、おそらく権利関係が複雑で再開発がままならないのだろう。仁峴市場同様、奇跡的に残ったオアシスである。

【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】2012年、十年前の忠武路2ギル。個々の店は変わっているが、全体の雰囲気はまったくと言っていいほど変わらない