初恋、切ない恋、いけない恋……ひと口に「恋」といっても、さまざまな恋の形があります。
そんな恋をテーマにした物語の中から、選りすぐった韓国映画の名作&新作をご紹介。登場人物たちが描く恋愛模様は、恋の作法の参考にもなるはず!
初恋、純愛、いけない恋…5タイプの物語から得る恋の作法
淡い恋をすることもあれば、忘れていた恋心がわきあがってくるような想いを抱える恋だってあるでしょう。人それぞれ個性があるように、恋の形にも、いろいろな形が存在します。
今、注目を集めている韓国映画の世界にも、そんな人間模様が描かれている良作がたくさんあります。
その中から、実際にわたしたちの恋愛においてもヒントになりそうな韓国映画のおすすめ作品をドラマウォッチャーの筆者より、お届けしましょう。
フィンランドで陥る禁断の恋 『男と女』
家庭を持つ男女が道ならぬ恋に落ちる、大人のラブストーリー『男と女』(2016年)。
フィンランドのヘルシンキで、子どもたちが通う国際学校で出会った、サンミン(チョン・ドヨン)と、ギホン(コン・ユ)。遠く離れたキャンプ場へ向かうことになったふたりは、大雪で足止めとなってしまいます。
惹かれ合ったふたりは感情のままに関係を持ち、お互いの名前も知らずに別れた8ヵ月後、ギホンはソウルにいるサンミンの前に出現。
一度の過ちのはずが、再び激しい恋に落ちていくサンミンとギホン。秘密の恋を続けるものの、家庭に影響が出てくる許されざる関係のふたりの未来に待っているものとは。
映画『シークレット・サンシャイン』(2007年)で第60回カンヌ国際映画祭の女優賞を受賞した、演技派のチョン・ドヨンと、映画『SEOBOK/ソボク』(2021年)の大ヒットも記憶に新しい、トップスター俳優のコン・ユ。
複雑な心情を巧みに演じる貫禄のあるチョン・ドヨンはもちろん、切々とした想いを抱える、コン・ユの艶っぽいその瞳に釘付けになります。
どちらかに恋人がいたりハードルのある恋をしていたりする人なら、制限のあるなかで暴走してしまう恋心や、いけない恋に走ってしまう心理がわかるのかもしれません。
「こういうケースはこの対処をしよう」「そもそも危ない恋には近づかない!」など、いろいろな見方もできる大人の物語です。
移りゆく季節にたゆたう淡い恋『ジョゼと虎と魚たち』
田辺聖子さんの同名短編小説を犬童一心監督が妻夫木聡さんと池脇千鶴さんにより実写化した日本映画『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)の韓国リメイク版(2021年)。
卒業を控えた大学生のヨンソク(ナム・ジュヒョク)は、ある日、道に倒れている車椅子の女性に遭遇。
足の不自由な彼女が祖母と二人暮らしをする家まで送り届けると、お礼に夕飯をご馳走になります。
「ジョゼ」と名乗る彼女(ハン・ジミン)は読書家で、その独特な感性と世界観に興味津々のヨンソク。
時折ジョゼの家を訪れるようになり、身の上も知るようになったヨンソクは、大学の女友達のツテで市の補助金によりジョゼの家の改装にこぎつけます。
しかし、ヨンソクと親しげな女友達の雰囲気を察したジョゼは、彼を拒絶し……。
日本版で池脇さんが演じた役に、映画『虐待の証明』(2020年)で韓国最大の映画賞といわれる青龍映画賞主演女優賞を受賞したハン・ジミンさん。
妻夫木さんが演じた役に、Netflixのドラマ「スタートアップ:夢の扉」(2020年)や「二十五、二十一」(2022年)の主演など、人気急上昇中のナム・ジュヒョクさん。
ふたりは、ドラマ「まぶしくて 私たちの輝く時間」(2019年)でも恋に落ちる役を演じ、息ぴったり!
エンドクレジットの挿入曲には、女優としても活躍するシンガー・IUさんの「Lullaby」が切なく響きます。
なんとなく毎日を送っていたら、偶然、全く違う世界に生きる人に出会うことだってあるでしょう。
普段なら触れ合うことのない者同士が出会った時、恋に落ちたことが果たして、青春のひとコマとなるのか、永遠の恋となるのか。強く出るか、一歩引くか、異なる環境にいる相手と恋をしている人は、参考になる部分がありそうです。
出演 ハン・ジミン、ナム・ジュヒョク
監督 キム・ジョングァン
2020年|韓国|韓国語|117分|カラー|シネスコ|5.1ch|原題:조제|英題:Josée|字幕翻訳:鷹野文子
提供:木下グループ 配給:キノシネマ
Original Film © 2003 "Josee, the Tiger and the Fish" Film Partners. All Rights Reserved.
© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
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