新曲をいち早く聴くことが出来る
9月7日には4カ月連続配信リリースの第1弾として「7月5日」、10月5日には第2弾「ぼーにんげん」がリリースされ、11月2日には第3弾「これ」、12月7日には第4弾[タイトル未定]のリリースが控えている渋谷。
これらの新曲がいち早く聴くことが出来るのも今回のツアーの見どころ。今回のツアーのラストで聴かせたいという想いで作られたという「7月5日」は、“あの日の君と これからの君が 失くした日々を 見失わずに 歩けるように”という願いが込められた優しいバラード。
今作4曲の中で最初に出来たという「ぼーにんげん」は、表に感情が漏れない為に真意がなかなか伝わりづらいのだが、実は深い想いと暖かな人間性を持った人への愛しさを唄ったのほほんソング。
今ツアー前にコロナ規制後初めて有観客で行ったファンクラブライヴの1曲目に届けたくて書かれたという「これ」は、多くを語らず、全てはここにあるんだ! と元気付けてくれるご機嫌なロックンロール。
12月7日にリリースされる第4弾は、今までのレパートリーにはなかった音楽性に挑んだ新たな一面を提示した渋谷すばるの新境地となっている。
映画『ひみつのなっちゃん。』の主題歌「ないしょダンス」を書き下ろし
また、ツアー初日の9月14日には、俳優の滝藤賢一が映画初主演を務める『ひみつのなっちゃん。』(2023年1月13日公開)の主題歌として、「ないしょダンス」を書き下ろしたことが発表された。
同映画は、岐阜県・郡上八幡の町を舞台に、大切な友人・なっちゃんの死をきっかけに集まった3人のドラァグクイーン(滝藤賢一、渡部秀、前野朋哉)が、なっちゃんがオネエであることを知らない家族のために、“普通のおじさん”として葬式に参列するまでの珍道中が描かれた物語だ。
“臆病な彼女たち”が隠し事のない優しさに触れ、少しずつ前向きになっていく姿を描く、ハートフルなヒューマン・コメディは、本作が映画デビューとなる田中和次朗が自らのオリジナルの脚本で監督を務めた期待作でもある。
田中和次朗とプロデューサー・中野剛からオファーを受けた渋谷は田中監督と話を重ね、台本を何度も読み返して“主題歌”を意識した曲作りに向き合ったのだという。
今回のツアーでは「ないしょダンス」も歌われており、映画の予告と重なって流れる力強い楽曲と、自らも表現者としてステージに立つ者、自らも“変わり者扱いされていつも一人ぼっち(歌詞引用)”だと感じているのであろう渋谷のリアルな葛藤が聴き手の胸を打ち、オーディエンスは高く拳を上げ、既に新曲とは思えないほどの盛り上りを魅せている。
8月20日に『SUMMER SONIC 2022』のMOUNTAINステージで、“渋谷すばる”そのものと言える実に真摯なロックを多くのオーディエンスに魅せ、新たなファンを獲得しつつある渋谷すばるだが、まだまだ“渋谷すばるの唄”の本当の魅力が伝わりきっていないと感じる今、この唄を、この音を、渋谷すばるという存在を知らない人にも届けたい。
是非とも大阪城ホール11月5日(土)・6日(日)の公演に足を伸ばして、“渋谷すばる”に触れて欲しい。きっとそこには、求めていた音と唄があるはずだから。
Text:武市尚子