「いま好きな人とはもともと男友達として仲が良くて、変に男らしさをアピールしないところが付き合いやすいと思っていました。
優しいけど、気を使いすぎずに放っておいてくれるのが助かるときもあって。
ご飯や買い物やいろんな時間を一緒に過ごすけれど、私がすっぴんで来ても文句を言わないし次も普通に約束してくれるので、『恋愛の相手にはならないだろうな』とどこかで思っていました。
それが変わったのは私の誕生日のとき、冗談で『何かちょうだい』と話していたら、本当にプレゼントを用意してくれました。
プレゼントといってもラッピングもしていないタオルとぬいぐるみ、受け取ってみたら私の好きな動物キャラクターのもので、『今ちょうどコンビニでくじをやっていたから』と素っ気なく言われました。
くじを開催しているのは私も知っていたけど、このぬいぐるみは一等のものだしタオルは二等、『何回くらい引いたの?』とおそるおそる尋ねたら『うーん、10回は引いたかな』と普通に返されてびっくりでしたね。
お金を使わせてしまったことが申し訳なくてお返しにご飯をおごりたいと言ったら、『誕生日なのだし気にしないで。くじとか滅多に買わないから楽しかったよ』と笑ってくれて、しみじみとうれしかったです。
『たぶん、彼女のためにがんばっていると思われた』と彼が言って、その様子を想像したらすごくかわいらしくて、初めて付き合っているふたりを思い描いてしまって。
それから『この人が彼氏だったら』と考えるようになって、今も友達としていい関係だけど変えていけたらなと思っています」(女性/32歳/調理師)
自分のために、コンビニエンスストアで何回もくじ引きに挑戦する男友達を想像すると、なんともいえない幸せな気持ちが湧いてきます。
お金がかかっても一等を引くまで続けてくれたことは、本当にありがたいし大事にされている自分を目の当たりにします。
気持ちの変化は、友達なのにここまでしてくれる彼の誠意に触れたから。
その思いに応えたい姿勢が、ふたりの関係を次のステージに運んでくれるのではないでしょうか。