6人それぞれが持っている個性がぶつかって、そこにどういう感情が湧くか
──9月の初めてのライブのあとは、「ライブの楽しみ方がわからない」って言っていましたよね、ずいぶん自分の中で変化が…
JOSH:そうなんです。そのバンドのライブに行ったとき、ファンの人たちが楽しんでいるところを見ていたら、例えば、ステージに立ってるアーティストがコケちゃっても気にしないし。
RYUICHIRO:コケてたな。(笑)
JOSH:そう、ピッチ間違えても別に誰も気にしないし。自分が手を抜いていいっていうことではなくて、本気でやって間違えてもそれは咎められないし、ファンも気にしない。なんならコケた方が面白い、ステージの上のアーティストがコケたところなんてなかなか見られないからその方が面白い、って思ってもらえると思うし。
もちろん、仕事目線でみたら「なんでコケるんだ?」ってなるけど、ファン目線だったらどんなことでも面白いってなると思ったから、自分も気楽に楽しんでファンの方と盛り上がれるライブになればいい空間になるんじゃないかなって思って。そういう視点で今回の公演は挑戦できました。
まだぼくの中でダンスをうまくやることなどに意識がいっちゃうことはあったけど…。次回12月公演になったらもっと自分の世界に入り込みつつ、ほかの人と笑顔になれたりすることもあるのかなぁって思って。もっと、力を抜いてやっていきたいです。
RION:JOSHのダンスの振りを飛ぶように、ちょっかい出そうかな。
KOYA:おれ、それ協力するわ。
──(笑)。JOSHのエピソードや想いも、ライブならではのものでした。では、KOYAはどうでしょうか。ODDLOREのリーダーも担っていますが。
KOYA:そうですね。ぼくは過去のライブに比べて、気持ち的に今日が1番のったなと思ったんです。純粋に自分自身はそう感じるんだけど、ただ、その「のってた」分、感情の部分を自分自身でコントロールできなかったかもしれないです。
歌の部分でいつもはずさないところで自分でもわかるくらい音をはずしてしまったりとかしました。結構、自分で気が付くくらいはずしちゃったので、「あぁ…」って思って。
だから、公演のあとにライブの記録動画とか見るじゃないですか、その時におそらく「あれがダメだったこれがダメだった」っていう反省点にきっとなるだろうなー…って思いつつも「おれが気持ちよかったんなら、まぁいいや!」ってなんかどうでもよくなっちゃって。
自分自身の一番の課題として、そういう自分の感情のコントロールというか、気分がアガってくると自分のやりたいことをしだしちゃうから、冷静を保つやり方っていうのは必要なのかなって思いますけど。
でも、回数を重ねていけば、ちゃんと練習すれば、技術もどんどん追いついて気分がアガっても大丈夫なんだろうな…と思っているので、感情面で伝えるところは伝えつつ、日々のレッスンで技術をあげていこうって思います。自分自身はすごい楽しかったです。あとで先生にいっぱい怒られます。(笑)
──ラスト、RYUICHIROはどうでしたか?
RYUICHIRO:今回のぼくたちのライブがほかのボーイズグループと違うものだとわかる特徴なのが、ぼくたちの曲が今日の公演で初めて出揃って、お客さんも今回の11月公演が〝ひと区切り〟だとわかる点というか。(※)
普通だったらセットリストがあって、それが何曲もあるうちランダムだったりするけど、ぼくたちの場合はひとりひとりにフォーカスされた曲があって、今日の公演はそのフォーカス曲が全員リリースされた状態で開催される初めてのライブだから、ぼくら自身もお客さんも「ODDLOREの曲が初めて出揃ったライブ」っていう想いが絶対にあったと思います。
そういうのも含めて今日は、すごく大切な日だったなぁって思いました。ぼくらにとっても今日の公演が〝ひと区切り〟だったので。そんな想いをお客さんも共通認識できっと持っていたと思うから、それを今日お客さんの前で一緒に共有できたのが嬉しかったです。
(※)ODDLOREは今年4月~11月にかけて、それぞれのメンバーの心の内を歌ったフォーカス楽曲をリリース。定期公演では、リリースされた楽曲をリリースの順番にステージで披露していくのが特徴。今回の11月公演は初めてメンバー6人のフォーカス楽曲が全てリリースされた状態での開催となり、6人全員のフォーカス曲がステージ披露された。
──公演のセトリにリリースされた曲が1曲ずつステージパフォーマンスとして追加になっていくことは-Under Test-公演の最大の特徴のひとつとしてお客さんもおなじみの要素でした。「ORTUS」で6人皆さんのフォーカス曲が出揃ったことで、次回の12月公演では、「新曲を披露する」という公演自体の〝新要素〟はなくなることになります。
そのうえでODDLOREの集大成を12月公演でお客さんに届けていくことになりますが、その意気込みについてはいかがでしょうか。
RYUICHIRO:いままでは、「次のライブはパワーアップして帰ってきます!」とお客さんにも伝えることができていて。というのも、〝新曲〟という逃げ道があったんですよね。でも12月公演は今回と全く同じ公演内容でパワーアップして帰ってこなくちゃいけないので、本当に言い訳できないんです。
新曲披露という逃げ道が全くゼロの状態の中でもどういう風にお客さんにもっとよかったって思ってもらえるかは、これからの練習もいままで以上に気を遣う部分になると思いますし、角度を変えてみたりしていかないといけないんじゃないか?って思いますね。「ORTUS」も今日初めてパフォーマンスしたけれど、次回はもっとお客さんにアプローチできる余裕を意識したいです。
──今日初披露した「ORTUS」についての話が出たのでYUIに聞きたいのですが、自身のフォーカス曲である「ORTUS」のパフォーマンスについてどうでしたか?
YUI:「ORTUS」のミュージックビデオを撮影したときはダンスだけで歌うということはなかったんですが、今日、左手にマイクがついてそこに声をのせるだけで全然感覚が違って。ダンスの振付でも左手が使えないので感覚が違う、というのが自分の中では大きかったです。
あと、微妙に歌とダンスのリズムが違うところとかもあって、本当に歌とダンスが組み合わさるとこんなに難しいのか…って思ってしまいました。
歌だけだったらそこまでピッチが低くならないようなことでも、そこにダンスがつくと息があがってキーが低くなりやすくもあり、歌とダンスのバランスはMVの撮影が終わってから相当気を付けて練習してはいたんですけど、本当に難しいなって思いました。
──公演のセトリが増えていくことで課題も増えていくのも-Under Test-公演ならではかと。
RIKITO:「ORTUS」はライブ向けのパフォーマンスの練習と一緒にMVの撮影なども重なって、ぶっちゃけ準備期間がとても短かかったんです。その分、ポジティブに次回公演までに伸びしろがあるというか、いちばんの進化ができるのは「ORTUS」だと思っています。そう考えると、「ORTUS」は自分たちにとって都合がいいっていうか。
でも逆に12月公演までは作品撮りなどが何もない1か月間になるので、練習時間がいっぱいある=12月公演の仕上がりに言い訳はできないってことにもなりますよね。時間がたくさんあって、終演後アンケートでお客さんたちからもたくさんフィードバックをもらえて、その分進化をみせないといけないということを改めてこの6人で認識していきたいと思っています。来年に向けても。
RION:今月までは新曲のレコーディングやMV撮影など作品づくりがライブと並行してあったりしたので、ライブに対して前向きに〝これがしたい〟よりも〝しないといけない〟という気持ちが結構あった気がしています。
それ(作品づくり)が12月のライブに向けては無いとなったら、ここからは本当に自分たちの〝したい〟をめちゃくちゃ詰め込むことができる1か月になるんじゃないか?って思っていて。そしてODDLOREの醍醐味であるMVで体験できる没入感にライブでもどれだけお客さんが入り込めるか…が勝負だなと思っています。
なので、お客さんがぼくたちのパフォーマンスを観て、〝この曲はすごい自分的にアガる〟とか、〝明日から突っ走ってやろうと思った〟、とか、〝この曲を聴いたら絶対泣いてしまう〟とか、そういうひとつひとつの感情を揺さぶれるというか、ひとつひとつの楽曲の差をちゃんと明確にわけていくような、そんな練習をしたいです。
だからこそ、練習でのアドバイスの貰い方を変えていかないといけないと思っていて。技術のチェックの日もあれば、ぼくたち6人のパフォーマンスに心動かされたかの感情面でのアドバイスももらいながら、お客さんの〝気持ち〟にアプローチできるようなグループになりたいです。
ぼくたちODDLOREはオーディションを勝ち抜いてきたとかではなく、スカウトで集められたメンバーなので、〝技術〟が第一のグループじゃないと思っていて。6人それぞれが持っている個性、それが混ざったりぶつかったりしてそこにどういう感情が湧いてくるかをお客さんも楽しみにしていると思いますので、そこにアプローチしたいです。