今話題になっているモンテッソーリ教育ですが、これは特殊な英才教育で、モンテッソーリ幼稚園に行かなければ受けられないと思っているお母さんも多いのではないでしょうか?
日本ではモンテッソーリ教育は幼児教育と思われていますが、実際には24歳までの成長を対象にしています。ですから、確かに高校レベルの高度な教育は、家庭では難しいでしょう。
でも、幼児期にモンテッソーリ教育で教えることは、家庭でお母さんが教えられることも多いのです。
今日は 『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴が、モンテッソーリ教育を、家庭でこそ取り入れるべき理由をお話しします。
家庭的に恵まれない子どものために生まれた教育法
モンテッソーリ教育は、イタリア人初の女性医師マリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。
マリア・モンテッソーリは、当初障碍児教育に取り組んでいました。その後家庭的に恵まれない子ども達を預かる子どもの家(保育所のようなもの)の監督指導を任され、そこでの指導法が大きな成果を上げたことから、モンテッソーリ・メソッドとして世界に紹介されたのです。
医師であり障碍児教育にも取り組んでいたモンテッソーリの指導法は、教具という、おもちゃのように子どもの気を引く道具を使ってなされ、子どもは楽しみながら、幼児期に必要な知識をどんどん吸収していきました。
モンテッソーリは、普通の家庭なら母親が教えるような日常生活のマナーや基礎知識を、恵まれない子ども達に教えていったのです。
ですから、モンテッソーリ教育は、エリートを育てるための英才教育などではなく、むしろ家庭で母親が子どもに教えるべきことだったとも言えるのです。
家庭でのモンテッソーリ教育に、モンテッソーリ教師の資格や教具は必要?
モンテッソーリ幼稚園は、モンテッソーリ教育を学んだ専門の教師を必要としていますが、家庭でモンテッソーリ教育をしたいと思ったら、教師資格がないと無理なのでしょうか?
幼稚園で教える教師は、他人の子どもを指導します。その子の父親や母親がどのようにその子と接しているか、どのような日常生活を送っているのかというような、家庭環境がほとんどわからない状況で子どもを指導します。
しかも子ども一人ではなく集団を指導するわけですから、教師としての専門知識が要求されるのです。
でも、家庭で取り入れる場合は、わが子だけを教えればいいわけですから、教師資格などなくても、基本的な考え方がわかれば大丈夫です。
また、教具については、現在販売されている知育玩具には、モンテッソーリ教具の考え方を参考にしているものも多いですし、家庭で代用できるものもたくさんあります。
決して高額なモンテッソーリ教具を買わなければできないというものではありません。