家庭で取り入れる時に大事な親の接し方
モンテッソーリ教育を家庭で取り入れる時には、どんなおもちゃを使うかということよりも、どんな風に子どもと接するかが大切になってきます。
モンテッソーリ教育で、モンテッソーリが教師を指導するために考え出された「教師の心得」というものがありますが、これは親の姿勢としても通じるものです。
筆者の著書『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』では、「教師の心得12か条」の中から筆者が親の姿勢として大切だと思うことを、「親の心得8か条」として紹介しています。今日はこの中から二つご紹介します。
ものの扱い方はやってみせて、やり方を明快に正確に示しなさい
たとえば、衣服の着脱、洗顔や歯磨きの方法、スプーンやお箸の持ち方、靴の履き方など、幼児期に覚えなければならないことはたくさんありますね。
お母さんは確かに忙しいですが、やり方をしっかり見せて教えていますか?
時間がかかるからと、いつもお母さんが着せたり脱がせたりと、世話を焼きすぎて子どもに何もさせていないのではないかと思うような、一人で何もできない子どももいます。
特に男の子に多いです。
基本的な自立ができていないと、集団生活に入った時に、困るのは子どもです。
確かに、小さい子どもに新しいことを教えるのは、手間も忍耐も必要ですね。でも、幼児期にこの手間を惜しまなければ、あとがグッと楽になりますよ。
ぜひ、しっかりとやり方を見せて覚えさせてあげてください。
何かを頑張ったあとは、その努力を認めてあげましょう
まだ手足や指先の筋肉が十分発達していない幼児にとって、大人が簡単にできることでも、たいへんな作業です。
ボタンをはめる、ジッパーを上げる、ひっくり返った洋服の袖をもとに戻す、など大人ならなんでもないことも、子どもには、母親が慣れない大工仕事をするようなものです。
ですから、しっかり見せて教えた後、子どもが頑張ってやり遂げたら、「よくできたね」
「がんばったね」とほめてあげましょう。
また、お母さんのお手伝いをした後には、「助かったわ」「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてあげましょう。たとえ、あとでお母さんがもう一度やり直さなければならないとしても。
子どもは、親に喜んでもらえるのが、一番うれしいのです。
まとめ
モンテッソーリの考え方は、決して難しい、突拍子もないものではありません。
日本の文化的背景から実践されにくかったこともありますが、ほとんどは日本の幼児教育でも大切にされてきたことです。
この機会にぜひモンテッソーリ教育の考え方を家庭で取り入れて、親子の関わりを楽しんでみませんか?