なぜか仕事でうまくいかない。職場の人間関係で気疲れする。初対面の人とうまく話せない……。
そんな悩みをお持ちではありませんか?
他人とうまくコミュニケーションが取れないのは、「どう話したらいいのか?」に意識を向け過ぎているのかもしれません。
コミュニケーション能力は、「どう聞いたらいいのか?」に意識を向けると、飛躍的にアップします。
また、「魅力的な人だな」と思ってもらえることが増えて、仕事もプライベートも他の人と大きく差がつきます。
一般社団法人日本聴き方協会の代表理事であり、ベストセラー作家の松橋良紀先生の最新刊『聞き方の一流、二流、三流』より、聞き方の一流が使っているテクニックについてご紹介します。
一流が使う『ペーシング』を使った聞き方とは?
人が他人に対して親近感を抱く時とは、どんな時だと思いますか?
それは、「この人とはなんだか波長が合うなあ」「自分と似ているなあ」と感じた時です。
相手と波長を合わせ、自分と似ていると感じさせるコミュニケーションのテクニックを、『ペーシング』と言います。
今回ご紹介するのは、本書第3章に書かれているこの『ペーシング』のテクニックです。聞き方の一流は、『言葉』『声』そして『身体』の3つのペーシングを使って話を聞いています。
1: 『言葉』のペーシング
相手の話を聞いている時、「はい」「ええ」「はあ」など相槌を打ちますよね。その相槌が単調だと、相手は話を聞いてもらっている感覚をいまいち得られません。
話が聞くのが下手な人は、相槌どころか、相手の話を聞いている最中に意見やアドバイスをしたり、質問を挟んだりします。
「そういえば私も〜」と、相手の話を自分の話にすり替える『会話泥棒』をする人もいます。これらはすべて相手の話す気を削ぎ、不快感を抱かせる聞き方です。
聞き方の一流は、話を聞く際、『言葉』のペーシングをよく使います。
言葉のペーシングは、相手の使った言葉をそのまま『オウム返し』で繰り返します。
オウム返しをすることで、相手は「ちゃんと私の話を受け止めてくれている」「私の話に興味を持ってくれている」と感じることができます。
本書には、『オウム返しの基本は単語一つ』と書かれています。文節をオウム返しすると、長すぎて相手の話すリズムを崩して邪魔してしまうからです。
「昨日は仕事が片付かなくて、9時まで残業したよ〜」「えっ、9時まで!」と簡潔に返しましょう。
余計な言い換えや一言、質問を挟まずに、オウム返しをしながら相手の話を最後まで聞くことを心がけてみてください。
言葉のペーシングは、メッセージのやり取りでも使えます。
仕事もプライベートもオンラインのやりとりが増えている方は多いと思いますが、チャットやLINEなどのメッセージのやり取りの際にもぜひ使ってみてくださいね。