3: 『身体』のペーシング
身体のペーシングにはたくさんの種類がありますが、中でも『姿勢』のペーシングは、比較的簡単にできてしかも影響力が大きいテクニックです。
新人研修やマナー研修では、「背筋を伸ばして話を聞きましょう」と教えられることが多いかと思います。
しかし、前かがみであまり姿勢が良くない人の前で、背筋をピンと伸ばしたまま会話をすると、礼儀正しさは伝わるかもしれませんが、「堅苦しい感じがするなあ」「世界が違う人だ」「自分を受け入れてもらえないような気がする」と思われる可能性が高くなります。
聞き方の一流は、相手と同じ姿勢を意識して話を聞きます。
相手が椅子に深く座っているなら、自分も深く座ります。浅く座っているなら、自分も浅く座ります。
相手が前かがみの姿勢なら、自分も背筋を曲げて前かがみになって聞きます。
相手が背筋をピンと伸ばして胸を張っている人なら、自分も背筋を伸ばして胸を張ります。
姿勢が似ていると、心の距離がぐんと近くなります。「この人は信頼できそう」と思ってもらえるのです。
本書には、『姿勢を合わせると、不思議と相手の心情がより深く理解できるようになり、共感力も高まります。身体の波長が合うと、心の波長まで合っていくのです』と書かれています。
しっかり相手を観察し、姿勢を合わせること、心がけてみてくださいね。
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人の心を掴むのは、『よく話す人』ではなく、『よく聞く人』です。
今日お伝えした3つのペーシングを意識して話を聞くようにすると、聞き上手にかなり近づけるでしょう。
本書には今回ご紹介した以外にも、聞き方の一流になれる秘訣がたくさん記されています。ぜひ手に取りご覧になってみてくださいね。