――中国では昔から天文学が盛んで、古代から皇帝が月を祭る儀式を執り行っておりました。いわゆる中秋节も、その流れをくむものとされています。いつしか一般の人々も丸い月を「家族団らん」の象徴と捉えて、家族で月を愛でながら、食事などを楽しむようになったとか。

家族団らん、いいですねぇ。

――地方にもよりますが、一般的にその食卓に欠かせないものとされているのが、月饼(月餅)というお菓子です。日本の中華街などでは一年中売られていますが、中国ではこの季節にしか出回りません。日本でお月見団子が、お月見の前にしか買えないのと同じですね。

えーッ、月饼っていつでも買えるワケじゃないんだ!

――それでこの月饼も地域によって、いろいろなタイプがあるんですが、代表的なものでいえば、餡の中にアヒルの塩漬け卵の黄身が入ったものとか。

塩漬け卵ぉおお?

――甘じょっぱくって、月餅を割ってみるとちょうど満月が顔を出したよう。まぁ、好き嫌いは分かれますけど(笑)。ほかに中国医学的に美容にいいともいわれている蓮の実餡とか、黒ゴマ餡とか……佐江ちゃんもおひとつ、いかがですか?

うわぁあッ! 黒ゴマ餡、ムッチャおいし~い♪

――(笑)今日お出ししている月饼は日本のお店で購入したものなのでサイズもかわいらしいですが、本場のモノは手のひら大はあるような、大きくてズッシリと重くて、超高カロリーなものがほとんどだったりもします。

こ、高カロリー……(((((((( ;゚Д゚))))))))

――でも日本仕様のミニ月餅も、小顔の佐江ちゃんが持つと大きく見えますねぇ(笑)

(笑)

――ところでこの月饼なのですが、いつの頃からか中秋节を前に、日頃お世話になっている方への贈答用として使われるようになってきました。

お中元とか、お歳暮とかみたいな?

――そうです! この季節は日本のお歳暮商戦さながら、中華圏には月餅商戦が吹き荒れます。スーパーやデパート、食料品店や菓子店はもちろんのこと、哈根达斯(ハーゲンダッツ)のアイスクリーム月餅なども人気です。ほかには日本にもあるコーヒーチェーンの……

星巴克

――ピンポーン! さすが佐江ちゃん、上海でも通っているのかな? その星巴克(スターバックス)でも、オシャレ月餅が販売されているんですよ。

スタバの月餅……なんか、すごいなぁ。

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