二度目の「お願い」で

「そんなA子と距離を置こうと決めたのは、二週間ほど音沙汰のない状態だったA子から電話が来たと思ったら、『彼の県外出張についていくことになって、またあなたの家に泊まったことにしてもいい?』と言われたから。

前回の旅行の後、私のほうからやんわりと『こういうアリバイ作りを引き受けるのは後が怖いからもうやめたい』と伝えていて、そのときは『だよね、本当にごめん』と返してくれていたのに、結局また私を利用することを思いつくA子には、がっかりしたし悲しかったです。

『前に、こういうのはもうやめたいって言ったよね?』と返したら『そうだけど、あなたしか頼れる人がいなくて』と声を落とすA子に、『正直に言うけど、不倫はダメだと思っているからアリバイ作りとか加担したくないの』と言いました。

すると、『ずっと話を聞いてくれていたのにそう思っていたんだ、ひどい』とA子は怒りだし、『彼にもあなたの住所とかもう話してあるし、そういう計画だから』と強い口調で言われて、唖然としましたね。

『勝手に私の住所を話したの?』と尋ねたら『だって、もし何かあったら私がどこにいたかの証明をしないといけないし』と、A子は鼻息荒く答えました。

この時点で『勝手に人の住所を不倫相手に教えるなんて、ありえない』となり、『それはあなたの事情でしょう。私にもプライバシーがあるのだけど』と言っている途中で『それくらいのことで怒るなんておかしい』とA子が大声を出し、これ以上は話すのは無理だと思った私は『悪いけれどOKできないから』と言い置いて通話を終えました」