会場一体となって楽しむ作品

左から)飛龍つかさ、宇月颯、綾凰華 撮影/源賀津己

――タカラヅカでは綾さんと飛龍さんが同期で、宇月さんが8年先輩という間柄。今回はダンスアクトということで、“ダンサー”としてのお互いの印象はいかがですか。

宇月 つーちゃん(飛龍)は普段から明るいキャラクターで、ダンスから発するエネルギーも明るくてアツいのがいいなって。今回もその魅力が大いに発揮されると思います。

あやなちゃんとは、ほぼ初めましてなんですが、踊っているときのやわらかい空気感は、退団してすぐの元男役さんとは思えないほど。でも歌い始めるとやっぱり男役の名残りがあって(笑)。私も覚えがあるんですが、その過渡期のアンバランスさって、実は今だけの魅力。その個性が活きる舞台になるんじゃないかなって思います。

飛龍 としさん(宇月)は在団中、『としさんみたいに踊りたい』っていう男役の下級生がたくさんいて、私もそのひとり。『ああいう角度だとさらにステキに見えるんだ』なんて研究しまくっていたので、今は憧れのとしさんを間近で見られるのが幸せすぎて……。

宇月・綾 (大笑)。

飛龍 あやなは宝塚音楽学校の頃から、ダンスの授業で皆がお手本にしていた存在。入団してもやわらかさや繊細さはそのままに、男役としてどんどんかっこよくなっていったので、今のお稽古場でもやっぱりお手本にしています。

宇月 そう考えると、この3人って個性が見事にバラバラなんだね。

本当ですね。私もとしさんのことは、下級生の頃に月組さんを観に行った時、男役の総踊りのところで目が吸い寄せられる方がいる! と思ったら、としさんだったんです。終演後に楽屋で同期に「としさんがステキだった」と言ったら、「そうでしょう?」と自慢げに言われて(笑)。

まさか退団後にご一緒できるとは思わなかったので、本当に光栄です。つーちゃんは、たしかに私とは対照的なのですが、私にはない“アツさ”を持っている人。実はすごく影響を与えてくれていて。

飛龍 そうなんだ?

そうだよ(笑)。私は皆で作り上げる“舞台”がすごく好きで、「私はこうするんです」というアツい気持ちと、「あなたのそれ、私とは違うけどすごくいいね」という、相手を認めつつのぶつかり合いというか、セッションが好きなんですね。つーちゃんの存在って、そういうふうに周りの輪を広げてくれるところがいいなって思いながら見てるんです。

飛龍つかさ 撮影/源賀津己

――最後に、それぞれが思う本作の見どころをお願いします。

飛龍 個人的には全員でハット(ソフト帽)をかぶってかっこよく踊る、テンポの速いナンバーがお気に入り。まさにタカラヅカのダンスとGANMIさんのダンスの融合といった感じで、それぞれがそれぞれの“かっこいい”を追求しているので、本番はどこまでいってしまうのか楽しみ。私も負けないように頑張ります!

ナンバーはどれもオススメなので決められないくらいなのですがひと言でいうと、「お客様参加型ですよ」ということ。会場一体となって楽しむ作品になっています。GANMIさんのファンも宝塚歌劇のファンも、お互い初めて見るようなダンスがあるかもしれませんが、きっと観たらわくわくどきどきして、必ず楽しんでいただけると思います。観終わったあと、楽しかった、私も踊りたいと思っていただけるくらい大切に頑張りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。好きになるはずと思うので、楽しみにいらしてください。

宇月 今回、オリジナル曲で『2STEP』という曲を作っていただいて、それが宝塚歌劇のショーでいう“主題歌”のようになってるんです。初のコラボということで、お客様は「どういうステージになるのかな?」と思って来られると思うのですが、お客様と一緒に盛り上がれる曲になっていますので、ぜひ肩の力を抜いて楽しんでいただければと思っています。