新トップコンビ月城かなと・海乃美月を中心とする新生月組の本拠地お披露目公演『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』が1月1日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。
2011年の入団から約10年、娘役として研鑽を積んだ新トップ娘役・海乃美月が、12月の稽古中に行われた取材会でお披露目公演に向けての思いを語った。
原作を大事にしつつ、舞台ならではの表現で
2011年に宝塚歌劇団に入団し、2012年に月組へ配属。2014年には新人公演で初のヒロインを務めたほか、数々の大役にも挑戦してきた海乃。着実に経験を重ね、現在は客観的に作品を考えられるようになったという。
「下級生の頃は、とにかく目の前にある自分の課題に挑戦していくことに重きを置いていたのですが、学年を重ねるにつれて、組全体として見られるようになりました。
男役さんの演じられる役柄に対して、相手役である私はどう存在していたらいいのだろう、とか。もっと早く気付けたことなのかもしれませんが、私自身は10年経験させていただいたからこそ、今、そうした姿勢で作品に取り組めていると感じています」
トップ娘役就任の話を受けて、不安な気持ちも大きかったと話す海乃だが、「月城さんがいらっしゃるなら」と、心を固めた。
「月城さんは想像力がとても豊かで、これまでも私が台本を読んで気付けなかったことや、作品を通して一番大事なことを、いつも具体的に教えてくださったり、アドバイスしてくださっていました。
実際に表現するお力も、お人柄もとても素晴らしいお方で、ご一緒させていただけることをとても光栄に思い、以前より尊敬していた月城さんがいらっしゃるなら頑張ってついていこうと。
ふたりで支え合いながら、寄り添い合いながら、作品に取り組んでいきたいと思います」
第一幕の『今夜、ロマンス劇場で』は、2018年に公開された大ヒット映画をミュージカル化した作品で、映画監督を夢見る青年・牧野健司と、モノクロ映画のヒロイン・美雪の奇跡的な出会いを描いたラブストーリーだ。
海乃は「原作で綾瀬はるかさんが演じられた美雪も参考にしながら、私なりの美雪をしっかりと作っていきたいです」と意気込む。
「映画版は、天真爛漫な中に日本人らしさも垣間見えるようなお役の印象でした。舞台では、お客様にしっかりと届くように、動きや感情の振り幅を大きく演じなければと思っています」
ショー『FULL SWING!』は、全編通してジャズをテーマにしたステージ。
「今まで月組でやってきたショーは、振りが大きかったり、パワフル、エネルギッシュなものが多かったのですが、今回のショーはリズムを取ることが大切。
同じ曲でもリズムの取り方や感じ方は自由なのですが、それをひとつの場面、ひとつの作品として作るためにはどうすればいいか、みんなで試行錯誤しながら作っています」