ミュージカル『マタ・ハリ』が3年ぶりに再演される。
本作は実在した女性、マタ・ハリの愛と悲劇を描いた、作曲家フランク・ワイルドホーンの新作として’16年に韓国にて初演され大ヒットしたミュージカル。
’18年に石丸さち子の訳詞・翻訳・演出のもと日本初演され好評を博した。
タイトルロールであるマタ・ハリ役を日本初演から引き続き演じる柚希礼音、今回初めて演じる愛希れいか(Wキャスト)に話を聞いた。
この役は、俳優として挑戦になる
――柚希さんは3年ぶりにマタ・ハリを演じることになりますが、今はどんなお気持ちでいらっしゃいますか?
柚希 マタ・ハリは本当に大好きな役なので、心して、魂を込めて、演じたいと思います。再演ということでハードルも上がっていますし、ドキドキもしますが、本当に嬉しいことなので、喜びながら演じます。
――大好きな役になったのはなぜでしょうか?
柚希 彼女のことを調べていくと、良い人ばかりではないところも出てくるのですが、それさえも人間らしく感じました。
女を使って生き延びる壮絶な生き様ですが、共感できるところが多いので思いっきり演じたいです。
――共感できるところが多いですか?
柚希 はい。マタ・ハリの奥底にはピュアなものがある。だけど時代は戦時中ですし、女がひとりで、きれいごとだけでは生きていけないですから。
そこに私はすごく共感しますが、きっと共感しない方もいると思います。マタ・ハリ自身も、みんなに共感してもらおうとは思っていないでしょうしね。
――愛希さんは今回初めてマタ・ハリを演じることになっていかがですか?
愛希 緊張していますし、未知なところも多いのですが、この役は挑戦になるだろうと思っています。
宝塚歌劇在団時に、マタ・ハリのような“ファム・ファタール”と呼ばれる役を演じさせていただいたこともあるのですが、娘役ではないところで、俳優として挑戦するのは初めてですから、もっと自分の殻を破らなければいけないところだったり、壁にぶち当たるところが出てくるだろうと思っています。
演出の石丸さち子さんも今回、初めてご一緒させて頂きますが、信じてついていきたいです。
――どのようなところが、破らなければいけない“殻”になりそうですか?
愛希 娘役の頃は常にお客様やファンの方、男役さんのファンの方に気に入られようとするような演じ方をしたり、舞台人としてどうすれば好かれるかなっていうことを考えて生きてきました。
でもマタ・ハリという役は、そうではない部分を出していかなければならないだろうと感じています。そこは殻を破らなければいけないところになりそうです。